思わぬ出会いに驚く [狛犬さん見物]
承前
板橋区上板橋で昼ご飯を食べ、わたしと友人S君とは街歩きを続けることにした。
目的地は、上板橋から坂を下って行った蓮根という場所である。
板橋区のこの地域は、荒川の河岸段丘でもあるのだろう、丘と平地が入り組んで複雑な地形で、歩いていて楽しい。
思わぬ景色を眺めたり谷戸の隙間の道を歩いたりして、ようやく目的地の「蓮根氷川神社」に着いた。
「蓮根氷川神社」は、付近の「蓮沼氷川神社」が、荒川河川改修のため、1924(大正13)年この地に遷座したもの。
長方形の境内は広く、また奥が深い...この地域の氏神として来年で遷座100年になる。
28mmに憧れる [カメラ]
ことの発端は、わたしの友人でもある主治医のひと言からだった。
「 ナツパパよ、最近検査結果の数値が悪くなってるぞ、なんかあったか? 」
「 うんにゃ、とくにない...けど、寒くてあんまり体動かしてないなあ 」
「 それだな...下手するとヤバいことになるかもしれん...そもそもお前は痛風持ちで更年期障害もあったし 」
「 おいおい、あんまり脅かすなよ 」
そういわれてしまうと、小心者のわたしはずいぶん悩む...どうしよう...寒いんだけどなあ。
体を動かすのかぁ...でもジムで運動はきついしなあ...そうだ、カメラ持って散歩するか。
そう決心すると、今度は散歩に持っていくカメラが気になる。
できればポケットに入るような小型の、でも写りのいいやつを...ふと、いいカメラが思い浮かんだ。
手持ちのカメラにはないけれど、カメラ屋には並んでいる...あれ欲しいなあ。
でも、散歩用だったら携帯のカメラでよくないか?...と、わたしの中の分別ある大人はそう諭すのである。
...うーん、でもね、わたしの中にいる我儘ジジイは、カメラ欲しいよう、と駄々をこねるのだった。
美味しいもの食べよう [くらしの中で]
わたしたち夫婦が結婚したのは2月で、かんたんな披露宴と...それから神戸に一泊の旅行をしたのだった。
なにしろ余裕がなくて...それでも、まあなんとかここまで来ることが出来たのは様々な僥倖があってのことかな。
それで、毎年2月には、どこか外で食事をするのが、いつしか習いとなったのだった。
息子がいるときは家族3人で、息子が独り立ちしてからは夫婦で。
今年も2月になり、ご近所のレストランに夜の席を予約して、歩いてやって来た。
この日は北風が吹き荒れる、とても寒い日で、なにしろお酒を呑むのだから歩いて...なんだけれど、これがたいへん。
ようやく店にたどり着き扉を開けると、暖かい店の中で馴染みのシェフが笑顔で迎えてくれるのだった。
席について、コースは予約の時に頼んでいるので、飲み物を注文して...さて乾杯。
今年もこの店に来られて、元気で食事ができることが嬉しい。
結婚して37年ですか、ここまでくると結婚記念日だからじゃなくて、元気で美味しいものを食べられることに乾杯、なんですがね。