28mmに憧れる [カメラ]
ことの発端は、わたしの友人でもある主治医のひと言からだった。
「 ナツパパよ、最近検査結果の数値が悪くなってるぞ、なんかあったか? 」
「 うんにゃ、とくにない...けど、寒くてあんまり体動かしてないなあ 」
「 それだな...下手するとヤバいことになるかもしれん...そもそもお前は痛風持ちで更年期障害もあったし 」
「 おいおい、あんまり脅かすなよ 」
そういわれてしまうと、小心者のわたしはずいぶん悩む...どうしよう...寒いんだけどなあ。
体を動かすのかぁ...でもジムで運動はきついしなあ...そうだ、カメラ持って散歩するか。
そう決心すると、今度は散歩に持っていくカメラが気になる。
できればポケットに入るような小型の、でも写りのいいやつを...ふと、いいカメラが思い浮かんだ。
手持ちのカメラにはないけれど、カメラ屋には並んでいる...あれ欲しいなあ。
でも、散歩用だったら携帯のカメラでよくないか?...と、わたしの中の分別ある大人はそう諭すのである。
...うーん、でもね、わたしの中にいる我儘ジジイは、カメラ欲しいよう、と駄々をこねるのだった。