縁は大切 [猫は招く]
浅草寺から隅田川沿いに北上し、前々稿の「待乳山聖天」の先は、今戸（いまど）という地域である。
今戸は江戸時代、「今戸焼」の産地として知られていた。
日常の食器や雑器、人形などが作られていたが、時代と共に衰退していった。
だが、今でもたった１軒だけ、今戸焼きの人形を作る家があるそうだ。
その今戸にあるのが「今戸神社」である（写真上）。
「今戸神社」にやってきたのは、ここが「招き猫発祥の地」、という記事を読んだから。
ところで、友人のＯさんは、招き猫は世田谷の「豪徳寺」が発祥、と言っておられた。
このブログにもしばしば登場して下さるＯさんは、「口あんぐり」なくらい大変物知りな方である。
森羅万象、様々なことをご存じ．．．その方が「豪徳寺」と仰るのだもの、わたしはそう信じていたのだった。
が、他にも発祥の地を名乗るところがあったとは。
これは行かなければ、と思ったのである。
「今戸神社」は広い敷地に、ぽつんと本殿が建っている、いささか地味な神社だった。
ところが、本殿に近づくと、これがビックリ。
入り口に大きな一対の招き猫が鎮座していたり、招き猫の石像が置かれていたり。
さらには、絵札の柄が、また招き猫．．．「えんむすび」と「成就」の２種類があった（写真上）。
「えんむすび」には、良縁祈願や恋の成就を願う願文が書かれていた。
一方、「成就」には、おかげさまで、という文章が。
察するに、この神社で縁結びを願い、それが上手くいったら、またここに訪れて報告をしなければならないのだろう。
「招き猫」には、たしか人を招くという意味もあったから、縁結びも守備範囲に入っているのかもしれない。
ブログをやっていて思うことは、縁とか出会いとか、それは人の力を超えたところにあるもの、ということ。
だから、縁を求める「願い」や「祈り」を、ただの俗信とはとても思えない。
そして、何かを求める「思い」というものは大切だと思うし、自分も持っていたいと思うのだ。
でも．．．わたしもＳ君も妻子持ちの身だから、これ以上の縁結び祈願は不穏当と言うものだろうなあ。
本殿脇には、御札と一緒に大小様々な招き猫が売られていた。
どれも可愛らしいネコで、ネコ好きの方には嬉しい記念になると思う。
今戸焼の招き猫も売られていて、これも可愛らしい。
ただ、生産量が少ないのか、３ヶ月半待ちだそうだ（どちらも写真を撮り忘れた 残念）。
浅草にお出での節は、ちょっと足を伸ばしてこちらまで行かれてはいかがだろうか。
縁結びはもういいや、という方も、可愛らしい招き猫に会えますから。
ついき
「豪徳寺」と「今戸神社」、どちらが招き猫発祥の地なのか。
「今戸神社」の方に聞きそびれてしまいました（←神社のＨＰに由来が書いてありました）。
今度は、「豪徳寺」に伺って見てみなければ、と思うナツパパであります。
さて、本家はどちらなんでしょうね。
へぇ今戸神社は知りませんでした。
ここの猫は全部右手あげてますね、ウチのは殆ど左手です。
http://987.blog.so-net.ne.jp/2006-11-18
by gop (2008-08-27 19:37)
落語に「今戸の狐」というのがありますね。僕の好きな噺ですが、古今亭志ん生も志ん朝も演じていますが、今戸は猫でしたか。
by gillman (2008-08-27 21:44)
新宿区の自性院説等々諸説あるようですが、本家はあくまで我が故郷の「世田谷区豪徳寺」であると言うのが、揺ぎ無い定説でございます。
「うちが元祖、発祥」等と仰る方々は数多いらっしゃいますので、一つひとつ相手にしている訳にはいかない、と言うのが地元と申しますか、本家本元のスタンスでございます。
今後とも、本家「豪徳寺の招き猫」を御愛顧、お引き立ての程宜しく御願いいたします。
by Ｏです (2008-08-27 22:40)
ところで、右手上げの招き猫しか無かったのですか？
右：金招き
左：人招き
と言われるのですが、こちらは「金運の神様」の神社ですか？
私、いくらなんでも
「口あんぐり」なくらい大変物知りな方である。森羅万象、様々なことをご存じ．．．
等と言って頂く程ではないですよ。いくらなんでも褒めすぎです。
記憶の賞味期限の順番が間違っていまして、
「必要な事、知っていなければいけない」記憶は早く廃棄処理してしまい、「必要ではない事、知っていなくてもいい」記憶は廃棄されずに在庫してしまうんです。
要するに、同じ規模のお店でも私の場合は「売れ筋商品」がないレア物商品ばかり扱っていて、他の方は「「売れ筋商品ばかり置いている」流行のお店、と言う感じなんですよ。
飲み会くらいですね、得するのは・・・
by Ｏです その２ (2008-08-27 23:05)
今戸神社初めて知りました。豪徳寺はLet's豪徳寺っていう映画をやっていたときに実際の寺に行ってみましたが。駅名にもなっているし。招き猫かわいいですね。
今戸神社のHPも拝見しました。縁結び会なんてやっているめずらしいところですね。
by hideyuki2007y (2008-08-27 23:11)
「招き猫の発祥の地」があるなんて、思ってもみませんでした。
面白い歴史がありそうですね。
by かめむし (2008-08-28 06:11)
招き猫は、上げているほうの手によって、お金を呼んでいるか人を呼んでいるか、ではなかったかと思います。
写真のネコは右手を上げていますが、これは金運のほうではなかったかなあ。
と、ここまで書いて、既にOさんも同様のコメントをされていることに気づきました。
失礼しました。
by YAP (2008-08-28 10:24)
MORIHANAさん。
ｎｉｃｅ、ありがとうございました。
雨続きの東京ですが、どうやら北海道も天候不順のようですね。
きれいな青空が見られるまであと少しガマン、といったところでしょうか。
もっともこちらは、きれいな青空が現れると、途端に暑くなってしまうのですが。
by ナツパパ (2008-08-28 10:24)
gopさん。
Ｏさんのお話に因りますと↑、右手は金運で左手が人の縁、だそうですねえ。
でも縁結びなのね、ここの神社は。
本殿に大きな招き猫、社務所の玄関にもたくさんの招き猫が鎮座していて、
もうもう招き猫一色の神社でした。
「沖田総司」さんの方は地味な扱いで、ちょっと可哀相でした。
by ナツパパ (2008-08-28 10:28)
gillmanさん。
「今戸の狐」、残念、まだ聞いたことがありません。
志ん生や志ん朝でしたら、一度聞いてみたいなあ。
近所の図書館で探して、聞いてみることにします。
by ナツパパ (2008-08-28 10:31)
Ｏさん。
二度もコメント、ありがとうございます。
わたしから見ると、Ｏさんは本当に物知りです。
ちょっとこれは．．．ということがあると、ついＯさんを頼ってしまいます。
これからも、何かの折はよろしくお願いしますね。
Ｏさんの仰るとおり、招き猫の発祥地は各説がありますね。
狭い江戸だけでもこれですから、全国にはまだまだあるのかもしれません。
「全国招き猫巡り」．．．シリーズにしてみたいけれど、もう手一杯（笑）
でも、今度はぜひ「豪徳寺」に行ってみようと思っています。
by ナツパパ (2008-08-28 10:38)
hideyuki2007yさん。
「今戸神社」は、神主さんご一家がずいぶん意欲的な方々なんですね。
社務所には、招き猫の人形や絵はがきが置いてありました。
それが、手書きの絵はがきだったり、地元製の招き猫だったり．．．
そうやって手を掛けて大切にされている神社は素晴らしいと思います。
地域の核になり得ますよね。
by ナツパパ (2008-08-28 10:41)
かめむしさん。
江戸だけで何カ所か「招き猫発祥地」があるそうです。
それぞれ後に由来があるわけで、それを読むだけでも面白そうです。
因みに、「今戸神社」は老婆と飼い猫、「豪徳寺」は井伊直孝と通りがかりの猫（笑）。
他にも太田道灌がでてきたり、と多彩です。
by ナツパパ (2008-08-28 10:46)
ＹＡＰさん。
そうそう、今戸神社の招き猫はどれも右手を挙げてたんですよねえ。
わたしも見ていて不思議だったのですが、きっと、なにかいわれがあるんでしょうね。
因みに、両手を挙げている招き猫もあって、「お手上げ」というのだそうですよ。
そんな招き猫、手元に置きたがる人いるんでしょうか．．．いるんでしょうね、好きな方が。
by ナツパパ (2008-08-28 10:49)
takemoviesさん。
ｎｉｃｅ、ありがとうございました。
まだ不順な天候が続きますね。
早く秋にならないか、と熱望するこの頃です。
by ナツパパ (2008-08-30 01:00)