お二人仲良く [乗り物大好き]
1980年の夏、小樽を歩いていたら、手宮機関庫でおもしろい催しがあると教えられた。
行ってみると、「義経」号と「静」号が並んで一緒に展示されていた(写真上)。
何の催しだったかは忘れてしまったが、「義経」号は普段、大阪の「鉄道博物館」に
展示されているはずだから、わざわざ小樽まで運んできたのだろう。
お二人仲良く展示されているのが好ましくて、長い間見物していたっけ。
この機関車たちが、明治の草創期、北海道の鉄道輸送を担っていたのだ。
北海道は早くから鉄道が引かれて、1880(明治13)年には小樽~札幌が開通した。
つづいて明治15年には、小樽~幌内炭坑の間が開通し、運行を始めた。
これにより幌内炭坑の石炭を小樽まで輸送することが出来るようになったのである。
この「幌内炭」は、小樽から日本各地、いや世界に向けて運ばれたのだった。
北海道で使われていた機関車は、アメリカから輸入されたものであった。
だから、よく見ると西部劇に出てくる機関車とそっくりである。
先頭には牛よけ(カウキャッチャー)までついている。
内地の、イギリスから輸入された機関車と比べると、たしかに異風であった。
機関車たちは、「義経」「静」「弁慶」「信弘」「光圀」「比羅夫」などの名前がつけられていた。
いずれも歴史上著名な人物の名前である。
この写真からしばらく経って、「静」号は、小樽の「交通記念館」の真ん中に展示された。
展示してある所がターンテーブルになっていて、時間毎の解説と一緒に回転するのだった。
北海道黎明期の鉄道の歴史を聞きながら、機関車を眺めるのは愉しい経験だった。
残念なことに、小樽の「交通記念館」はこの3月閉館した。
もう「静」号は見られないのか、と思っていたら、2007年には再開するという話である。
ただし、「交通記念館」だけではなくて、他の施設も一緒になってのことらしいが。
そこには、「静」号を大切に展示するスペースがあるものと思いたい。
せっかく120年以上も大切に保存されてきた機関車だもの...大事にしてほしいと思う。
そしてまたいつか、お二人の仲の良いところを見せてもらいたいものである。
鉄道100年(昭和47年)の時でしたか、一度再会したのは聞いていましたが、このイベントは知りませんでした。手宮機関庫構内も良い雰囲気ですね。こちらにカラー写真がありました。
http://blog.goo.ne.jp/pkm135/e/636d76fd11f5bd5c8d5aab7a90a082e7
明治の機関車は何とも言えない気品がありますね。また古巣の北海道で二台並んだ所を見てみたい物です。良い写真を見せて頂き、ありがとうございました。
by gop (2006-11-22 06:07)
gopさん。
手宮機関庫周辺は、「交通記念館」の敷地になり、きれいに整備されました。
でも、写真の頃は、まだまだ昔のまま、という感じですね。
機関車の上に日の丸が飾ってあるので、何かの記念だろうと思うのですが、
すっかり忘れてしまいました。
ああっ...いよいよ来ちゃったんでしょうか...
by ナツパパ (2006-11-22 16:52)
なかなか貴重なお写真ですね。おそらく北海道鉄道開通百周年記念の一環のような気がしますね。離れ離れですから2人とも対面を楽しんだことでしょう。私自身は、「義経」号については大阪の交通科学博物館で見たことがありますが、「静」号はまだ見たことがないですね。
一度小樽まで足を運んでみてみたいですし、二人揃ってのショットも撮ってみたいです。
by norinori (2006-11-23 13:25)
norinoriさん。
来年の春には、新「交通記念館」もオープンするでしょう。
その建物の中心には「静」号がいることと思います。
わたしも来夏には、ぜひ、行ってみたいなあ、と考えてるんです。
義経と静がならんでいたのは、そうか、100周年を記念しての
催しだったんですね。だから、日の丸をつけていたんですね。
by ナツパパ (2006-11-23 19:03)
同じ機関車は交通博物館にもありましたよね。
息子と行ったとき見たことがありますよ。
by KANBE (2006-11-24 09:53)
KANBEさん。
神田の交通博物館、無くなってしまいましたね...残念。
あそこに展示されていたのは「弁慶」号でした。
来年でしたか、大宮に出来る新しい博物館、そこにも展示されている
と思います。
by ナツパパ (2006-11-25 17:41)
義経と静を会わせるなんてしゃれた企画だと思う。
by Fです (2006-11-26 21:32)
Fさん。
ホントにしゃれたことをしましたよねえ。
記録に寄りますと、義経・静のお二人は、戦後4回会っているようですよ。
最近では、2002年に再会したそうですから、これからもこういったイベント
があるかも知れませんね。
by ナツパパ (2006-11-27 16:34)