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T君のこと・その後 [記憶に残っていること]

 

 以前このブログで「T君のこと」という稿を書いたことがある。

 政治家への志を持ち、仕事を辞め秘書として政治の世界に身を置いた友人のことである。

 そのT君、田島國彦君が、今回の衆議院議員選挙に、民主党から立候補していた。

 選挙区は、群馬県第5区。小渕優子氏が自民党から立候補している選挙区である。

 民主党にとっては、大変な苦戦を予想されていた選挙区からの立候補であった。

 

 

結果は、小渕氏144.782票、田島52.364票。3倍弱の差をつけられての敗北だった。

 

 この群馬5区は、小渕恵三元首相が長年地盤とした選挙区である。

 後継者の小渕優子氏も、父親の後援会組織を受け継いで、大変選挙に強い。

 実際、民主党は、ここ2回ほど、対立候補の擁立を見送っているのである。

 更には、民主党群馬県連の公認調整が遅れに遅れ、田島君の公認は8月13日であった。

 

 投票日まで、1ヶ月もない状況での公認。

 この選挙区に地盤も縁故も持たない田島君にとって、それはどれほど残酷なことだったろう。

 しかし、彼は、敢然として受けて立ち、選挙活動を開始した。

 小さな事務所を構え、夫人と2~3人のスタッフ、それも他からの応援、がすべてだった。

 あとは学生のボランティア。

 「金は全然かかりませんよー」と笑う彼。

 

 わたしは、負けを承知で戦に臨む、という考えが嫌いだ。

 やはり、戦というのは勝つことを目指さなければならないと思っている。

 その為に、いろいろ考え、努力をし、と、これはどの世界でも同じだろう。

 「負けを承知」だなんて感傷に酔う暇があったら何かすることがあるだろう、と怒鳴りたくなる。

 

 だから、田島君に会ったとき、彼にそんな感傷があっての出馬だったら困ったな、と思った。

 しかし、自他を冷静に分析して、静かに選挙の話をする田島君には、

 感傷めいた自己陶酔などはかけらもなかった。

 そういう彼を見ていて、プロフェッショナル、という言葉を思い出した。

 

 選挙が終わって、いま田島君は、各方面への挨拶回りで大忙しだろう。

 それが済んだあと、彼は何を考えるのだろうか。

 できれば再度挑戦をして欲しい、と思う。

 自分の志に忠実であって欲しい、と思う。

 

 何も応援できなかったけれど、もう一度君に言いたい。

 T君、がんばれ。


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コメント 4

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はじめまして。

>わたしは、負けを承知で戦に臨む、という考えが嫌いだ。
>やはり、戦というのは勝つことを目指さなければならないと思っている。

女性からの貴重な意見として受け止めたいと思います。
今の自分に一番必要なものかもしれません。
by (2005-09-12 17:59) 

ナツパパ

さむ乃介さん。
はじめまして。ようこそ。
いくさ、というものをやる以上は、そう考えなければ、と思います。
by ナツパパ (2005-09-12 18:17) 

gillman

今の日本にはそういう人が必要ですよね
by gillman (2005-09-12 23:04) 

ナツパパ

gillmanさん。
わたしも同感です。彼の今後に期待しています。
by ナツパパ (2005-09-13 21:28)