二人の夏物語 [記憶に残っていること]
写真上は、おそらく1970年代の北海道小樽市のものである。
この時代の小樽は、今のような観光客の集まる街ではなく、観光地として名高い小樽運河もまた現役の姿だった。
上の、運河の東端から撮った写真には、沈んでしまった船があり、また、澱んだ水や堆積した泥が異臭を放っていた。
とてものこと、今のようなきれいな場所ではなかったのである。
...そうではあっても、運河界隈には、北国の港町が醸し出す独特の魅力が漂っていた。
この時期の、賑わいから取り残されたような小樽の街そして運河の風景はわたしを虜にするのだった。
写真から、夏の北国小樽の、静かなそしてなんとなく泥臭い雰囲気を感じていただけるだろうか。