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狛犬見物の前後に [狛犬さん見物]

 

 

    300.JPG

 

 このところ狛犬に興味が湧いて、友人のS君と二人あちこちの神社を訪ねている。

 今まで、何体もの狛犬を訪ね、そのたびに感嘆したり唖然としたり...そのユニークさには驚くばかりである。

 出来ればこれからも狛犬見物を続けていきたい...そう思うのだけれど...

 

 日本全国にどのくらいの神社があるのか分からないのだが、相当な数になるだろう。

 その一社ずつに狛犬があると思うと、その数も膨大なものになるはず。

 うーん、ちょっとメゲるところもないではないが、そんなとき頼りになるのが写真上の本たちである。

 

 

 

 「狛犬かがみ」は、全国に散在する狛犬のうちから、百体ほどを著者が選んで写真とともに紹介したもの。

 上質な紙に鮮明な印刷がされていて、とても美しい本である。

 もちろん、本書で取り上げられている狛犬は、どれも歴史的に意義のある、またユニークな狛犬たちばかりである。

 狛犬を姿形や作者で分類し、分かりやすく解説してくれるのもありがたい(たくきよしみつ 著)。

 

 「ほっかいどうの狛犬」は、拙ブログにコメントを寄せて下さるMORIHANAさんに教えて頂いたもの。

 北海道中にある狛犬を訪ね、その来歴を検証し、また分類してくれている。

 写真は少ないが、北海道のユニークな狛犬が載っていて内容の濃い本である(丸浦正弘 著)。

 

 「狛犬紀行」は、著者が長年にわたって訪ね歩いた狛犬を書き綴ったもの。

 写真はなく文章だけなのだが、狛犬を見るポイントが分かりやすく、勉強になる本だった(黒田壽郎 著)。

 

 

  301.JPG

 

 上は、「狛犬かがみ」の裏表紙に載っている写真(写真上・上左)と「ほっかいどうの狛犬」の帯に載っていた写真。

 いかがだろうか、なんとも面白い形をしていると思われませんか。

 

 明治以降の狛犬はほぼ同じ姿形...獅子が振り返っているという、恐らくほとんどの神社で見ることの出来る形。

 それに対して、明治以前の狛犬は、地域ごとに決まりや流行があって、様々な姿形をしている。

 その多様性と発想のユニークさは驚くばかりである。

 それが、これらの本に紹介されていて、わたしなど眺めていて飽きない。

 

 こうやって、全国各地にある狛犬たちを調査し、分類して下さった先達の皆さんに敬意を表しつつ...

 思うことは、斯道の奥深さである。

 室町時代まで遡る狛犬の歴史を検証し、そして個々の狛犬について、姿形を分類し、来歴を探るなど。

 

 これはもう「狛犬学」ではないか。

 

 どうも大変なことに足を突っ込んでしまったか...と思わないでもないが、学問はその道の皆さんにお任せして、

 こちらはもっと気楽に、面白い狛犬を見物し、唖然としたり笑ったり、そういう体験を愉しもう、と思う。


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MORIHANA

ナツパパさん、おはようございます。
北海道の狛犬の本、入手されましたか(^^
これで来年の北海道の帰省旅行がさらに楽しくなりますね。

札幌は昨日、雪がちょっと降って、白い風景に。
でも、また今日から少し気温が上がって、雨が降るとか。
雪と雨を繰り返しながら、冬の核心へ近づいていくようです。
そろそろ、我が家の白菜漬けも食べごろになりました。

by MORIHANA (2008-12-08 08:29) 

whitesox

中国には狛犬と似た石獅子というのがあちこちのレストランやオフィスに置かれていますが、狛犬とこれの関係はどうなのか。ずっと気になっています。
by whitesox (2008-12-08 08:37) 

12湾蛇

近い将来、ナツパパさんが「民俗学者」「狛犬学者」として
講演会を行っている姿が目に浮かびます。

そうなると「ナツパパさん」等とお呼び出来なくなりますね。
やっぱり
「ナツパパ先生」「ナツパパ教授」
とお呼びしないといけなくなりますね。
by 12湾蛇 (2008-12-08 10:26) 

gop

狛犬も奥が深そうですねぇ。
弊Blogのこの記事も結構ヒット多いですし。
http://987.blog.so-net.ne.jp/2007-01-10-1
「あ」の左下のはウナギイヌですな(笑)
by gop (2008-12-09 06:29) 

めぎ

明治以前は土地によって違ったんですね。そうなのかあ。
どうして明治以降は統一されたんでしょう。不思議ですね。
by めぎ (2008-12-09 07:32) 

YAP

こんな本があるんですね。
どんなことでも、詳しく調べるといろいろなバックグラウンドがあっておもしろいですね。
そういう深いところを調べたり、気軽に見ることだけを楽しんだり、楽しみ方は人それぞれでいいと思います。
by YAP (2008-12-09 08:03) 

ナツパパ

MORIHANAさん。
おかげさまで大変面白い本が手に入りました。
北海道にある狛犬は、明治以降のものがほとんどなんですが、ユニークな姿形が多いです。
おそらく、当時から神社を中心として地域が纏まっていたからでしょうね。
地域の皆さんが相談してすべてを決めていたので、皆さんの意見が狛犬にも
反映されていたと思うんです。

今でも、北海道を歩くと、小さな集落にも必ず神社があって、お祭りをしていますよね。
地域の拠り所...そういう形が、本来の神社のあり方なんだろうなあ、と思います。
by ナツパパ (2008-12-09 09:11) 

ナツパパ

whitesoxさん。
狛犬のルーツはライオンだ、というのがほぼ定説なんです。
中国の獅子も、やはり中東から伝わったライオン伝説からあの造形になった、
と聞いたことがあります。
遠い先祖はスフィンクスやアッシリアのライオン像、近い先祖が中国の獅子、ということでしょうか。
明治以降は中国の獅子を手本にして狛犬が作られましたし、今では、中国製の獅子も
多く輸入されているんですよ。

ただ、日本の狛犬は、お互い向き合っていて、阿吽の形になっていますね。
そこが中国との違いでしょうか。
阿吽などは、お寺の門にある仁王像、から来たのかもしれませんね。
by ナツパパ (2008-12-09 09:16) 

ナツパパ

12湾蛇さん。
あははは...センセイといわれるほどの...なんていう言葉がありましたっけねえ。
わたし本当に調べ事が苦手で、そっと打ち明ければ勉強も苦手で(笑)

調査研究より狛犬を見に行って口をあんぐりとしている方が良いですねえ。
そっちの方が似合っている、と思われませんか?
by ナツパパ (2008-12-09 09:22) 

ナツパパ

gopさん。
多くの方が狛犬について研究され意見を述べていらっしゃいます。
どれもが、なるほど...と肯いてしまうものばかりで、狛犬研究は相当に
進化しまた深化していると感じます。
gopさんの記事にコメントされていた、Capitanoさんのご意見も素晴らしいですものねえ。

わたしなど、そこまで進む元気も根気もなくて...やはり見物が良いですねえ。
by ナツパパ (2008-12-09 09:29) 

ナツパパ

めぎさん。
江戸時代まで、神社の多くは、地域の鎮守さまでした。
ですから地域の皆さんが集まっていろいろ決めていたわけなのです。

それが明治になって、神社は全国的に格付けされて統制されましたね。
それに、富国強兵政策や明治時代特有の熱気もあったのでしょう。
地域の神社も、鎮守様からもう一つ上の祈りの場になってしまったように感じます。

それで、のんびりした狛犬や地域限定の形は姿を消して、おっかない獅子の狛犬になってしまった、
わたしの偏見によると(笑)、そういうことだったのかなあ、と思います。
by ナツパパ (2008-12-09 09:34) 

ナツパパ

YAPさん。
>楽しみ方は人それぞれでいいと思います。
YAPさんにそう仰っていただいて、なんだかホッとする思いです。
わたしもじつはそう思っていました(笑)
でも、こうやって記事にするからには解説も必要かなあ、と不安もあった訳なんですが。

わたしの場合は、学問的な探求より愉しみに走ろうか(笑)、と思います。
性格的にもそっちの方が向いているようですので。
by ナツパパ (2008-12-09 09:39) 

gop

>ご意見も素晴らしいですものねえ。
あらゆる方面に知識がお有りですから。先祖はこんな方(下の方)
http://987.blog.so-net.ne.jp/2007-12-10
by gop (2008-12-09 13:14) 

ナツパパ

gopさん。
昔から企画力行動力に溢れた町長さんがいらっしゃったのですねえ。
こういう方がご先祖にいらして、あのコメント、もうもう家風としか思えません。
わたしの記事など粗雑で「突っ込みどころ満載」ですからねえ...ブルブル...
どうかお見逃し下さいますよう(笑)
by ナツパパ (2008-12-10 08:34) 

ナツパパ

たかちんさん。
nice、ありがとうございました。
今年の12月、東京は暖かい日が多いです。
昨日は18℃、今日は19℃まで行くとの予報も...ちょっとヘン、という気がします。
やはり冬は冬らしく寒い方が好きなんですけどねえ。
by ナツパパ (2008-12-11 08:52) 

きょうパパ

ナツパパさんも絶対に本出せますよぉ~!
その時はサインもらわなきゃ。お願いしますね(^^)
by きょうパパ (2008-12-13 23:09) 

ナツパパ

きょうパパさん。
いえいえ、わたしなど初心者のその又入門者みたいなもので、相撲でいえば褌担ぎあたりでしょうか。
なにしろ、写真で紹介した本は凄いんですから。
もうね、全国にわたって調査撮影そして分類、ですからねえ。
著者の皆さんの知識情熱は深くて、わたしなどとても足元にも及ぶことすらできませんよ。
わたしは、ミーハーでワイワイやっている方が得意(...というより、それしかできなくて)ですかねえ。
by ナツパパ (2008-12-14 14:19) 

komaQ

初めまして
私も狛犬ファンです。
よろしかったら、訪問してください。

by komaQ (2008-12-15 21:40) 

ナツパパ

komaQさん。
はじめまして、ようこそ。
komaQさんの記事拝見しました。
福岡には素晴らしい狛犬があるのですね、さすがに古くから歴史のある土地柄です。
記事中の「狛鳥」は、思わず口あんぐりですねえ。
もうもう、是非にも福岡に行ってこの目で見てみたい、と思うばかりです。
by ナツパパ (2008-12-16 08:38) 

Klavia

狛犬ですか~、私も神社が好きなので興味あります。
by Klavia (2008-12-20 22:37) 

ナツパパ

Klaviaさん。
おっ、Klaviaさんも神社がお好きでしたか。
仲間がいらして嬉しい。
わたし、神社にいると心が落ち着くように思えて好きなんです。
子どものころ神社の境内で友達と遊びまわっていた、その思い出が
まだ残っているのかなあ、なんて思ったりしますねえ。
by ナツパパ (2008-12-21 08:16)