小樽市総合博物館 [旅行中 国内編]
「交通博物館」という名前の施設は日本全国にある。
東京や大阪にある博物館は有名だが、小樽にも「交通記念館」がある...いや、あった。
2006年、入場者数の減少が理由で閉館となってしまったのである。
息子が小さい頃から、親子二人で何度も訪れたところだけに、閉館は残念だった。
旧記念館に展示収集されていた貴重な遺産はどうなる...心配していたら、朗報があった。
小樽市が、2007年から、経営形態を変えて再出発させる予定...そういった話だった。
今年、札幌に行き調べたら、旧記念館は7月14日から再開されていた。
そこで、早速息子と一緒に行ってみた。
懐かしい建物は、「小樽市総合博物館」という名前になっていた。
運河近くにある「旧日本郵船小樽支店」の建物と一緒になり、名前も変わったのだとか。
でも、この統合のおかげで、以前のように様々な展示を見られるのはありがたいことだと思う。
博物館に入ると、そこは「しづか号」を展示する広いスペースである。
北海道初めての鉄道は、小樽~幌内炭坑だが、その開業時に使われた蒸気機関車が「しづか号」。
東京の「弁慶号」、大阪の「義経号」と同じ形の機関車で、一緒にアメリカから輸入された。
北海道開拓初期の貴重な遺産である。
機関車の周囲にある円い筋は、ターンテーブルと言って、機関車を回転させる装置。
「交通記念館」の時代は、毎日時間を決め、機関車を回転させつつ「しづか号」の解説をしていた。
今はしていないとのことだが、復活してくれるとありがたいんだがなあ。
入場者は、この機関車を触ったり運転席に入ったりと、思い思いに愉しめる仕組みになっている。
博物館の展示品は、屋内野外を含めて、以前の「交通記念館」時代から変わっていないように思えた。
夏休みの日曜日、多勢の家族連れが博物館を見学していた。
これからもたくさんの方々が来てくれると良いんだけどね。
屋外では、「クラッシックカー」の展示会が開かれていて、たくさんのクラシックカーが並んでいた。
どの車も、オーナーの整備をしっかりと受けて、きれいに輝いている。
趣深い車の数々を眺めていると、こういった車を走らせるのも悪くないなあ、と思った。
そういった車の中に、古いバスが置かれていた(写真上)。
後ろから煙が...なんだろう、とそばに行ったら、木炭自動車だった。
中央バスが、古いバスを改造して復元させたものらしい。
運転の準備は、わたしが手に持っている木片を、バス後部のボイラーいっぱいに詰めることから始まる。
ボイラーには、約40キロの木片が入るそうだ。
それを燃やすと、だいたい60キロメートル走ることが出来、最高速度は約60㎞/hだとか。
なかなかのものだ、と感心した。
ただし、ガソリンのように、急に燃焼具合を増やすことなんて出来ないから、走り始めはソロソロ行くらしい。
「2時間後に走らせますから、乗っていってください」
中央バスの方がそう仰ってくださったけれど、2時間はちょっと...
戦争中はこういったバスが日本国中走っていたそうだから、体験したかったんだけど...惜しいことしたなあ。
興味のある方にとっては、たまらない空間ですね。このような貴重な遺産を後世まで伝えていくことは本当に大切なことだと思います。どの様な形にしても残って良かったと思います。
それにしても木炭自動車、乗ってみたいですね。
by H小学校のMより (2007-09-02 00:00)
小樽は二年前の真冬に参りましたがこの様な博物館が有るのは全く認識してませんでしたね。
無論仕事で行ったので時間的に無理だったのかも知れませんがそれでも合間を縫って日本郵船のビルやら運河周辺を散策しました。
土産に小さなワイングラスを買いましたが値段の割に上品なディザインでお気に入りです。
小樽以外にもお仕事であちこち歩いてますけど鉄道とかクルマの博物館は外せないですね。
関東近辺では大宮の鉄道博物館ですが先日通りかかったらかなり出来上がってました。
by うんちく (2007-09-02 01:38)
木炭自動車はきちんとお手入れされていて、きれいですね。POPでもあります。
60kmも走るんですか。なかなかのものですね。
by HIROMI (2007-09-02 08:16)
最近は鉄道ブームだそうなので、この手の施設は賑わうのではないでしょうか。
ただ、ブームに乗っただけになってしまうと、それが去った後に傷が残るのでしっかりした運営が必要でしょうが。
歴史あるものは、こうして多くの人に見てもらいたいですね。
by YAP (2007-09-02 09:53)
M先生。
過去の遺産を大切にすることは大事なことだと思います。
そこから引き出せるものは大変多いと思いますので。
ただ、保存していくことは手間がかかるのですが、失われるときは一瞬ですからねえ。
これからも、博物館に人が来てくれることを願うばかりです。
木炭自動車、ボイラーのところに行くと、薪ストーブの臭いがします。
まあ、あたりまえなんですが、お風呂屋さんみたいでもありました(笑)
by ナツパパ (2007-09-02 15:30)
うんちくさん。
ここの博物館は、小樽の中心街から少し遠いんですよねえ。
以前は、「手宮」という別の町だったみたいですよ。
運河周辺は、いろいろなお店が集まっていて、楽しい場所になりましたね。
「北一硝子」は、北海道のお土産にピッタリだと思います。
倉庫を改造した建物も雰囲気があって良いですよね。
by ナツパパ (2007-09-02 15:34)
HIROMIさん。
木炭バスの作り手、中央バスはその名前の通り札幌を中心として道央地域を走るバスです。
とても大きな会社なので、維持管理にも手が回るのでしょうね。
担当者の方から、このバスの性能を伺ったのですが、とても親切に教えてくださいました。
なかなか高性能ですね、と申し上げたら、走らせるまでが大変なんですよ、と仰ってましたねえ。
by ナツパパ (2007-09-02 15:37)
YAPさん。
鉄道は、北海道開拓の歴史には欠かせないと思います。
そういう遺産は、どこかにまとめて保存しておかないと、すぐ散逸してしまいます。
ここの博物館が、長く愛されて続いていってくれると良いんですけど。
でも、本来は、小樽市ではなくて、北海道で管理運営するべきだと思うんですがねえ。
by ナツパパ (2007-09-02 15:40)
以前、義経と静が顔を会わせた時の写真を拝見しましたが、この場所ですよね?しかしこの様な公営施設も営業努力を続けて行かないと(もちろん資金はある程度必要な訳ですが)貴重な歴史遺産も離散してしまいますよね。旭山が良い例ですけど、様はお客様が身近に感じられるアイデア一つだと思います。
by gop (2007-09-02 17:55)
gopさん。
そうです、その場所にたったものなんです。
以前は、「手宮機関庫」だけがあって、鉄道記念物に指定されてはいたんですが...
その後「交通記念館」が出来て、いっそう整備されたのでした。
今回「小樽市博物館」として新しくオープンしたのですが、以前入っていたテナントなどは
すべて入れ替え...新しい業者さんで、食堂も廃止されていました。
小樽市も相当覚悟を決めてオープンさせたみたいです。
ちなみに、わたしが行った当日は「クラシックカーミーティング」をやっていました。
会場として貸し出したのか、共催か、いずれにしても新しい催しに積極的なのは良いですね。
これからも面白い企画が出来ると、人が集まって良いんですけど。
by ナツパパ (2007-09-02 19:29)
楽しそう
行ってみたいなぁ
どれをみてもワクワクしますね
by gillman (2007-09-02 20:26)
面白かったです。
博物館に行くと、面白い発見があったり知識が増えたり、それが好きです。
>どれをみてもワクワクしますね
仰るとおり。わたしもワクワクのしっぱなしでした。
by ナツパパ (2007-09-03 08:43)
木炭自動車、かわいいですね♪
2時間後って…燃やし始めて走るまでが2時間なのでしょうか??
すごいなあ~!!!
by じゅんぺい (2007-09-07 20:28)
じゅんぺいさん。
ボイラーの後ろにいると、薪ストーブのの胃がするんです。
もしくは、昔のお風呂屋さんの近くを通ったときのような...懐かしかったですね。
ボイラーに火は入っていましたので、2時間後というのはスケジュールの都合だと思います。
でも、最初走り出すまで、どれくらいかかるんでしょう。
多分、2時間くらいはかかるかも...そんな感じでしたよ。
by ナツパパ (2007-09-08 08:51)