去年の春には [狛犬さん見物]
写真上は、静岡県真鶴町にある「貴船神社」である。
社伝によれば889(寛平元)年頃、真鶴沖に屋根船が現れ、中には木像12体と書状があったとのこと。
社殿を建てて木像を安置し、村の鎮守としたのが「貴船神社」の始まりである。
ご覧の通り大きく立派な境内、本殿は丘の上にあり、石畳の参道と108段の石段が素晴らしい。
この神社に行ったのは、去年の春、4月に入ってからだっただろうか。
友人のS君共々、湯河原からあちこち見物しつつ、ここまでやって来たのである。
この3連休は家で静かに暮らそう、とPC内の写真を見ていたら、目の前に出てきたのだった。
相当な熟成写真と記事で恐縮だけれど、よろしければお付き合いの程を。
鳥居を潜り、参道を歩いていく。
春の日差しが眩しく、汗ばむほどの陽気だった。
目の前の石段はけっこうな迫力で、ちょっと引いてしまいそう。
そんなわたしの前に、早速狛犬が一対現れたのだった。
大きな狛犬は、彫りも深く、そして表情も豊かで、とても魅力的な姿形だった。
阿吽どちらも子どもを抱えているが、とくに吽形の子どもが良い。
くりっとした眼差しとあどけない表情で、思わず頭を撫でたくなった(写真上・中)。
ここ「貴船神社」には末社も多くあって、それぞれに狛犬が置かれていた。
参道脇には、稲荷神社の他、何社かの石祠が並んでいる(写真上)。
今回は、そのうちの一社にある狛犬を見物に来たのである。
「淡島大明神」の石祠と狛犬である。
高さ30センチほどの小ぶりな狛犬で、大変シンプルな姿形をしていた。
欠損があり、また補修の後があって元の姿形を想像し難いのが残念だ。
この狛犬には、万治元(1658)年という文字が彫られているそうで、そうならば相当古い狛犬である。
胴体の彫りや顔かたち、そして足元の様子など、以前訪れた「素鵞神社」の狛犬によく似ている。
あるいは同じ時期、同じ石工によって彫られたものかしれない。
珍しい狛犬に出会え、この日も満足した。
この日は、この後石段を登って本殿に参拝し、さらに歩き続けて、真鶴岬の先まで行った。
歩いて行くにつれ、桜と早くも新緑を芽吹かせた木々が目に優しい。
真鶴岬の先にはレストハウスがあって、多くの人が愉しげに遊んでいるのだった。
日常のささやかな休日だったこの日は、今見ると、宝石のように思える。
でもいつかきっと、こういう日々が戻ってくる、そう思う。
このお写真はちょうどよい具合に熟成されていました。(笑)
淡島大明神の狛犬さんは、なんとなくカエルさんにも似てひょうきんです。
by HIROMI (2011-03-21 14:16)
大好きな狛犬を拝見させていただきました。
このような不安な時期に、とっても楽しかったです。
by 月夜のうずのしゅげ (2011-03-21 18:21)
昨日、日本から荷物が届きましたね。
自分で発注した本なんですが、一つ日本のガイドブックも偲ばせてありまして。
発注したことすら忘れていたんですが、それを見て、何の心配も気兼ねもなく、ここでこの景色が見たいな、ここにこんな美味しいものがあるんだ、などと遊びに行く計画を立てていたほんの少し前までが、遠い昔のような気がしました。
一年前の狛犬さん、地震で倒れたりしていないかしら。
by めぎ (2011-03-21 18:26)
2009年のお正月に、ここへ行きました~!
こんなに沢山の、狛犬さんがいらしたんですね、後で写真チェックしてみます。
多分、メインで見に行かれた所の、(本殿に向かって右側の赤い鳥居の所)
お神酒を、猫が飲んでました・・
そんな、写真が残ってるはずです。
真鶴駅から、岬の突端まで歩きましたよ、結局、帰りも歩いちゃいました(^^♪
by ヨタ8 (2011-03-21 19:26)
HIROMIさん。
あ、熟成具合、気に入って下さいましたか。
去年の春、記事にするはずが、どうしてかそのままになってしまいました。
淡島大明神の狛犬はシンプルな彫刻と、厳つい顔かたちで、小さいながら迫力ありました。
神社を守る気概に溢れていたように思います。
by ナツパパ (2011-03-21 19:54)
月夜のうずのしゅげさん。
狛犬を大好きと仰って下さって、とても嬉しいです。
先の見えない不安は本当にココロに応えますね。
少しでも愉しんで頂けて、なによりと思います。
by ナツパパ (2011-03-21 20:14)
めぎさん。
つい、つい10日ほど前までは、なにも気にせず暮らしていられたのですが。
昨日、息子が部活と言って朝から学校に行くことになりました。
朝早く起きて弁当を作り、早く起きなさいと声を張り上げる妻...そして食卓での会話。
いつもどおりの朝、それがかくも愛おしいものだと、初めて知りました。
それを失わされてしまった多くの被災者の皆さん、それを思うとわたしの思いは贅沢なのでしょう。
でも、この日常はぜひ是非続いていって欲しい、と心から思います。
by ナツパパ (2011-03-21 20:18)
あの、たった数分の出来事で、世界が180度変わってしまいました。いつかは起こるけど、今日明日の話ではないと思っていたことは確かです。
でも、1年後か、十年後かわかりませんが、平穏な生活が戻ります。終戦直後の日本人はもっと悲惨だったはずです。大丈夫。大船に乗ったつもりでいましょうよ
by デブデブ (2011-03-21 20:36)
ヨタ8さん。
貴船神社には、末社ごとに狛犬が、と思うほど何対もの狛犬がいました。
わたしも全部写真に収めたのですが、なにせ多くて...今回は2対だけ。
稲荷神社の御神酒を猫が...それは良いなあ、素敵な光景に出会えましたね。
真鶴半島は温暖で、しかも自然が残っていて、素晴らしいところでした。
歩いていても愉しくて、気がつけば先端に行っていましたっけ。
ヨタ8さん、帰りも歩きだったんですか。
それはすごい...わたしたちは、駅までの急坂に恐れをなして、バスにしてしまいました。
by ナツパパ (2011-03-21 20:37)
デブデブさん。
まだ終わっていない、現在進行中の事故が不安をかき立てます。
心配していても仕方がないのに、とカミさんは言います。
その通りなのでしょうね。
一日一日を元気に暮らしていかなければ。
by ナツパパ (2011-03-21 20:41)
いっちーさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-21 20:42)
山子路爺さん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-21 20:42)
gookhisaoさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-21 20:42)
MORIHANAさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-21 20:43)
hatsuneさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-21 20:43)
くぼたんさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-21 20:44)
ほりけんさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-21 20:44)
余震の地震速報や、原発の心配が無くなっても、
当分の間は、家族や家を失った方が日常に戻ることは無いのかと、
そう思うと心配です。
by manamana (2011-03-21 21:09)
穏やかに過ぎてゆく日常を当たり前のように思って暮らしていました。余談ですが、高校生の頃まで住んでいた福岡の実家近くにも貴船と名のついた神社があった事を思い出しました。
by me (2011-03-21 21:22)
今晩は!トラウマはなかなか癒えないと思いますが・・・・・時の流れが平穏な日々を取り戻してくれるよう願ってます。
by ハゲアメリカーノ (2011-03-21 22:39)
ナツパパさんの狛犬の記事に、安らぎを感じる今日この頃です。
日常を取り戻しましょう。
by トリバン (2011-03-21 23:00)
真鶴半島、私も歩きに行ったことがあります。
真鶴駅~湯河原駅のコースだったような記憶があります。
小さな漁港があって、素敵なところだと思います。
by つぼっち (2011-03-22 00:01)
ほんとだ、愛らしいお顔をしていますね。
見守ってくれているのかな?・・
by リック (2011-03-22 05:37)
PENGUINGさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-22 08:25)
manamanaさん。
新たな旅立ちの時はいずれやってくるのですが、一方で喪失感も大変、と思います。
それぞれが自分の胸に抱えつつ...厳しいことだなあ、と思います。
それでもいつの日にか、普通の日々が、被災者の皆さんの訪れますように、と祈ります。
by ナツパパ (2011-03-22 08:28)
meさん。
平穏な日常は、実は危うさを秘めてのことだったんだ、と思い知らされました。
ふだんどおりの、いつもと同じ、そういう日々がなんと愛おしいことでしょう。
被災者の皆さん、そして原発事故で大変な思いをなさっていらっしゃる方々に、
そういう日が早く訪れますように、と願うばかりです。
by ナツパパ (2011-03-22 08:31)
da-kuraさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-22 08:32)
lomoさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-22 08:32)
ハゲアメリカーノさん。
そう、仰る通りだと思います。
時の持つ力は本当に大きいですものね。
今日から仕事ですが、おそらく一週間あっという間でしょう。
これもまた、時の持つ力かもしれませんね。
by ナツパパ (2011-03-22 08:35)
トリバンさん。
インドからご覧になると、日本にいるより心配になることと思います。
余震もだいぶ収まってきましたし、おそらく今週からは、被災地を除く各地で
日常の生活が始まることでしょう。
またそうでなくては、被災地へ支援物資も送ることが出来ませんし。
久しぶりに狛犬の写真を見て、わたしもなんだか心が安らぎました。
by ナツパパ (2011-03-22 08:38)
つぼっちさん。
真鶴半島は、いかにも小ぶりな半島で、それでも変化に富んだすばらしいところと思いました。
春の一日、友人とあれこれ話をしつつ散歩は、素晴らしい気分転換になりますね。
友人のS君は、通勤や仕事の移動が大変そうで、先週は120㎞も自力で移動した、と書いてきました。
自力って...自転車か歩きでしょう、身体大丈夫かな、と心配です。
by ナツパパ (2011-03-22 08:42)
リックさん。
可愛らしい顔立ちで、思わず頭を撫でてしまいました。
わたしの他にもそうする方が多いと見え、子どもの顔だけ白くきれいになっていましたっけ。
わたしが見物した中で、子どもの狛犬ベスト3に入りますね、確実に。
by ナツパパ (2011-03-22 08:44)
まぐろさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-22 08:44)
こんにちは。
108の石段ですか…金比羅さんの様ですね…引いた気持ち判ります。
私も金比羅さんの石段を見たとき帰りたくなりましたから(笑)
今回の狛犬さん達はみな剽軽な顔立ちですね…ひたしみの湧くとお顔と云うか…
でも立派な境内ですね!
by musselwhite (2011-03-22 10:02)
狛犬さん、みんなを助けてあげてくださいね。
by じゅんぺい (2011-03-22 12:29)
Shin.Sionさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-22 19:29)
musselwhiteさん。
階段の下から見上げると、これが聳え立つようでした。
で、どこかに回り道、と見ると、遙か上の方に道が通っていて、そこまで急坂。
本殿でお詣り、となると、気持ちを固めて行くしかないんですよねえ。
本殿からの眺めはとても良いものでして、眼福でした。
貴船神社には、写真の他にも多くの狛犬がいましてね、どれも素晴らしい出来映えでした。
by ナツパパ (2011-03-22 19:33)
kurakichiさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-22 19:34)
ひろころさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-22 19:34)
じゅんぺいさん。
被害にあった三陸や宮城、福島、その他の地方には神社があって、
そこには狛犬も立っていたことでしょう。
わたしも、狛犬には、どうか被害に遭われた方々を守って下さいね、とお願いしたいです。
そう、被害に遭われた方々の魂も、どうか守って下さい、と。
by ナツパパ (2011-03-22 19:38)
ぼんぼちぼちぼちさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-22 19:39)
mwainfoさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-22 19:44)
今造ROWINGTEAMさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-22 19:46)
風化がすすんでいますね。
親子の狛犬というのがいるとは思いませんでした。
愉快・・・愉快
by 小肥り (2011-03-22 20:13)
小肥りさん。
狛犬は野外に置かれるものなので、長い年月の間には、風化や破損が起こります。
それもまた味わい、という見方がわたしは好きなんですよね。
親子の狛犬は、子どもの可愛らしさと、親の優しい顔つきがとても素敵です。
もし見かけられることがありましたら、ぜひ近寄って見物なさって下さいね。
by ナツパパ (2011-03-23 08:40)
gardenwalkerさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-23 08:41)
狛犬の表情がいいですね。
by ねじまき鳥 (2011-03-23 12:32)
ねじまき鳥さん。
どちらの狛犬も、なかなかの面構えでしょう。
親はおっかない姿形ですが、その分子どもの可愛らしさが目立ちますね。
子どもの狛犬は、ある程度石工さんの自由に作れるようなので、石工さんの
優しさが感じられることがよくあるんですよ。
by ナツパパ (2011-03-23 20:00)
とみっちさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-23 20:00)
sonet会員さん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-23 20:03)
こんばんは
私も3連休はほとんど家で過ごしました・・・
ところで狛犬君たち、いろいろな表情があるものですね~
by gardenwalker (2011-03-24 23:03)
ナツパパさん、こんばんは。
少しは気持ちも生活も落ち着かれましたでしょうか。。。
穏やかなニチジョー、早く取り戻せることを切に祈ってます(._.)φ
by ひろころ (2011-03-25 00:01)
gillmanさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-25 08:29)
gardenwalkerさん。
わたしも、3連休はゆっくり過ごせたのですが、情報が欲しかったのでテレビをつけていました。
皆さん仰るように、わたしもACのCMにすっかり閉口してしまいましたっけ。
狛犬は明治以前の作に個性的なものが多いようですね。
江戸時代の方が自由に作られていたように感じます。
by ナツパパ (2011-03-25 08:32)
総本社には狛犬は居なかった様な。
http://987.blog.so-net.ne.jp/2008-08-31
by gop (2011-03-25 08:34)
ひろころさん。
余震も次第に収まってきていて、夜寝ていて飛び起きる、ということが少なくなりました。
今朝もいつもどおりの朝に戻ってきたのを感じます。
後は原発事故、ですよねえ。
頑張っている皆さんの努力が実を結んでくれると良いんですが。
by ナツパパ (2011-03-25 08:35)
コサピーさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-25 08:36)
gopさん。
あ、貴船神社は京都が総本山だったんですね。
そういえば、鞍馬に行く途中、貴船口、という駅があったような。
そうでしたか、ご本家には狛犬はいませんでしたか。
古い神社だと却って置かれないのかもしれませんね。
by ナツパパ (2011-03-25 08:42)
りんごさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-25 19:48)
うつマモルさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-25 19:52)
ユニークなお顔の狛犬さん笑っちゃいました!
by マンチ軍団 (2011-03-25 23:58)
マンチ軍団さん。
ね、面白い、といったら狛犬に失礼かもしれないですが、見ていて飽きない顔立ちですよね。
狛犬の顔立ちは、年代が遡るに従って自由になっていくように感じます。
by ナツパパ (2011-03-26 08:24)
macharunさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-26 08:25)
e-g-gさん。
nice、ありがとうございました。
by ナツパパ (2011-03-28 20:29)