枕木 [妄想か偏見か]
7月に入るとそろそろ、夏はどうするの?という話も出てくる。
先日も、偶々友人Hとそんな話になった。
わたしは、北海道の別荘で避暑なんだよね......ホントは妻の実家に居候なんだけど...
そう、わたしが言ったら、Hが、実は僕も蓼科の別荘で....という話をはじめた。
Hは、別荘の庭を、今年の夏こそ改造したいというのである。
庭の、木や草花は良い具合に育っていて、H自身はとても気に入っているのだとか。
ただ、庭を歩く道を何とかしたいのだそうだ。
「ただ踏み固めただけなので、とても歩き難い道なんだ」とHは言う。
そこで、道や駐車スペースに枕木を置いて、あるいは埋めて、歩き易くしたいのだとか。
ガーデニングを趣味にして、庭にいろいろ手を加えてきれいにする人が増えている。
その方法を紹介する本は多いし、改造する材料を売る店も増えた。
近所のホームセンターでも、広い敷地に各種のガーデニング用品を売っている。
その中に、枕木もある。
上の写真は、ネットの画像から拝借したものだが、枕木を使うことでご覧のように
なかなか雰囲気のある庭になっている。
おそらくHも、こういった庭を考えているのではあるまいか。
「使い古した枕木は、庭で使うととても良いんだ」とHは言っていた。
だけどわたしは、そのHの考えには、ちょっと危惧があるのだ。
わたしの通っていた高校では、毎年文化祭の最終日、全生徒が集まってキャンプファイヤー
をする伝統があった。
祭が終わって夜になり、後片付けを済ませた生徒が、先生と一緒に火を囲む。
文化祭での話をしたり、合唱をしたり....それは、なかなか感動する光景であった。
その、キャンプファイヤーの材料は、学校最寄りの駅から貰う枕木だった。
当時はまだ、コンクリート製の枕木などはなくて、木の枕木ばかりだった。
駅に付属する車庫には、使い古した枕木が、山と積まれていたのである。
それを、何本も貰って井桁に組んで火をつける。
枕木はよく燃えた。
燃え残しなんかはなくて、一度火をつければ、最後まで燃え尽きるのだった。
余りよく燃えるので、一度、鉄道会社の保線の人に聞いたことがあった。
「枕木はさ、タールや油をたっぷり浸み込ませてあるからね。そうしないとすぐ腐っちゃう」
保線の人はそう仰った。
そして、防腐剤も同様にたっぷり浸み込ませている、とも。
枕木は、なにより、線路支え、電車を安全に走らせることが役目である。
そのためには、腐ったり、割れたりしてはダメである。
だから、油や防腐剤をふんだんに使うことは、枕木本来の目的に必要なことなのだ。
そういった枕木を、庭に使うのはどうなのか。
人間や土壌に対して心配はないのだろうか。
使い古した枕木の雰囲気も良いけれど、そこら辺が気になるのである。
こんど、Hに聞いてみようかな、と思っている。
昔はタールそのものが防腐剤の役割をしていたはずです。
北海道の古い木造家屋は、タールで外壁を塗っていました。
おそらく防水と防腐をかねてのことと思います。
最近売られているのは、中国産の枕木もどき…が多いんですよ。
今や鉄道の枕木は、木じゃなくて、コンクリートが主流なので、
往時のような趣ある枕木はなかなかのレア物です。
庭で敷石代わりに使う場合は、ある程度防腐・防水の能力のある
物にしないとイケないので、おそらく、もどきにもしっかりと薬剤処理が
されているものと思います。
安全性を優先するなら、古レンガ、もしくはイタリアあたりの敷石
が風情と機能を兼ね備えた適役かもしれませんね(^^
by MORIHANA (2006-07-01 18:11)
MORIHANAさん。
建物に使っていると言うことは、タール自体には、余り害は無いと言うことなのでしょうね。
庭に使う木製品ですから、たしかに防水防腐がしっかりしてないと長く
使えないわけですし....
薬剤というだけで、余り過剰な反応をしてもいけないのかもしれません。
もう少し、調べてみようと思います。
by ナツパパ (2006-07-03 15:19)
今時、そんなものを燃やしたら、やれ煙害だ、やれダイオキシンだとなって風情もヘッタクレもない時代になってしまいました。 落ち葉で焼き芋も子供に見せてやることができません。
先日近所のホームセンターに行ったら、ガーデニング用にまさに枕木が売ってました、その値段たるや1本数千円、、、、閉口ものです。
by 炎遊人 (2006-07-03 16:42)
炎遊人さん。
仰るとおり、今や焚き火も出来ませんね。
そう考えると、わたしなどは、まだまだのんびりした時代に育ったのだなあ、
と思います。今の子どもは、かわいそうですね。
枕木って、そんなにするんですか。需要がすごいのかな。
高校の頃、電車の車庫に行くと、いくらでも分けてくれたものでしたがねえ。
by ナツパパ (2006-07-04 16:55)
こんにちは、枕木の事を調べていてここにたどりつきました。
全てではありませんが、国産の古い物や中国産はタールが使われています。北米産もです。
オーストラリア産やマレーシア産は、タールや防腐剤が使われていませんよ。
木自体が堅くしまった木材を使用しているためです。
ユーカリなどの木で、ものすごく堅く、チェーンソーの刃をすぐ痛めてしまいます。それにすごく重いです。
でも全てではないので、購入の際にお店や施工業者に聞いてみてはいかがでしょうか?
最近のガーデニングブームで、枕木の需要が増え、価格はぐっと上がりましたね。トホホです。
by 目目 (2006-07-18 14:19)
目目さん。
タールや防腐剤の使われていない枕木もあるのですね。
よかった。
さっそく、Hに知らせてやります。
でも、目目さんの仰るように、枕木の値段が高騰しているようで、
資金が大変そう。庭で使うとなると、量も必要ですからね。
貴重な情報、ありがとうございました。
by ナツパパ (2006-07-18 16:47)