鶴の舞 [記憶に残っていること]
今日までお正月ということなので、それにちなんだお話を一つ。
いま、各都道府県でお米を作っているが、それぞれの産地で名前を工夫している。
消費者の目を惹く名前が大切、ということなのだろうか。 いろいろな名前がある。
「こしひかり」「ささにしき」などはさしずめ老舗格だろう。
「あきたこまち」「きらら397」という名前も有名である。
以前、群馬県産米の名前は、「つるの舞」という大変優美な名前であった。
だが、この名前が、わたしには不思議だった。
群馬県と鶴がどうしても結び付かなかったのだ。
鶴の飛来地がある、という話も聞いたことがないし‥‥‥
わたしは、群馬県高崎市に多くの友人がいる。 なぜかは、また別の機会にでも。
で、高崎市に行ったとき、友人たちに聞いてみた。
どうして、群馬県で「つるの舞」なんでしょう。
「だって、〈鶴舞う形の群馬県〉って言うじゃないか。なぁ」と、わたしが聞いたA氏は周囲の人たちに同意を求めた。
周囲の高崎市民も、ウンウンと頷いている。
さあ、今度はこっちが分からなくなった。
「その、鶴舞う形の....ってなんですか?」
「上毛カルタじゃないか。 ええっ、上毛カルタ、知らないのか」
「‥‥‥‥ 知りません」
こんどは高崎市の方々が愕然となさる番だった。
上毛カルタとは、群馬県に関係のある人物や名所名物を集めたカルタである。
「あ、浅間のいたずら鬼の押し出し」 から始まって 「わ、和算の大家関孝和」 まである。
群馬県の小学生は、皆、このカルタを習うと聞いた。
秋から冬にかけて、各小学校ではカルタの育成会が開かれる。
小学校区、市町村の大会、とあって、ついには上毛カルタ群馬県大会が開催されるのだ。
だから、群馬県で小学生をすごした人は皆知っているそうだ。
いわば、群馬県民の共通知識なのであろう。
その、上毛カルタの中に 「つ、つる舞う形の群馬県」 があるのだ。
群馬県産米の名前、「つるの舞」を選んだ方々の中にも、「群馬県は鶴の舞う形」という共通認識があったのではないか。
他県の人たちが、そんなこと知らないのではないか、と言うことに思いも及ばず‥‥‥
教育の力、恐るべし、といったところだろうか。
結局、「鶴舞う形」は県内でしか通用しなかったことが、群馬県のJAでも判ったようだ。
すこし経ってから名称の公募がおこなわれ、「つるの舞」という名前は変更になった。
今は「ゴロピカリ」という名前である。
確かに、カミナリは群馬県の名物ではあるが、優美さという点ではどうかな、という感じがする。
娘の同級生のお母さんが群馬県ご出身でした。
上毛カルタですね。今度聞いてみましょう。
by KANBE (2006-01-07 20:25)
そう言われてみると群馬県は鶴が舞っている形だと思う。
by Fです (2006-01-07 22:54)
両親とも伊勢崎出身なので、今度上毛カルタを習ったことがあるかどうか、聞いておきます。子供のころ、よく田舎に行きましたが、聞いたことがありませんねえ。でも、ゴロピカリなんていう米はあまり食べたくないです。たしかに群馬は雷が多いところです。田舎の家の庭に落ちたという話を聞いたことがあるし、雷が来ると、「遠くの桑原、遠くの桑原」ってつぶやいたものです。でも、そんな名前の米はご免こうむりたいですね。
by 中島茂信 (2006-01-08 12:12)
KANBEさん。
わたしも詳しいことは知らないのですが、群馬県ではメジャーなものらしいです。
by ナツパパ (2006-01-08 19:46)
Fさん。
そう見えますよね。わたしも、このカルタの語句を知ってから、群馬県は鶴の形だと思うようになりました。
by ナツパパ (2006-01-08 19:47)
中島さん。
ご両親が群馬県のご出身だったんですか。
多分ご存知だと思います。
群馬県出身の方に伺うと、皆さんご存知でしたから。
群馬や栃木のカミナリは怖いですね。
わたしも体験して、二度とゴメンだと思いました。
by ナツパパ (2006-01-08 19:50)