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朱漆の片口 [器を愉しむ]

 

 

 

 昨日の晩、中学校時代からの友人、Sご夫妻をお招きした。

 ご主人S君とは文字通り中学3年間の同級生、夫人とは違うクラスだったが同窓生である。

 

 

 

 S君は、中学生の頃から自動車が好きだった。 

 

 その頃、ちょうど日本もモータースポーツが盛んになってきて、「トヨタ7」とか「ニッサンR380」

 と言ったレーシングカーが活躍していたのである。

 わたしとS君はレーシングカーに熱中し、「富士サーキットコース」までレースを見に行った。

 

 中学2年生が2人だけで富士山の裾野まで行ったわけで、よくもまあ両親が許してくれた

 ものだと思うが、当時はまあノンビリしていたのだろう。

 S君はその後もモータースポーツへの関心を持ち続け、大学を卒業後「HONDA」に就職した。

 F1のチームに入って、少年時代からの宿願を果たし、今はアメリカに赴任中である。

 

 用事があって夫婦で帰国した、と連絡があり、わが家に来てもらったのだ。

 

 何が食べたい? と聞くと、おでんだね、と答えが返ってきた。

 大きなお鍋におでん、そして刺身など。

 アメリカでは、今はどこでも日本の食品が買えるそうだが、それでも大きな鍋におでん一杯、

 と言うのは贅沢なんだそうだ。

 

 日本酒もいきたいね、と言って自分たちで持ってきた。

 ところで酒器はあるのかい、と不安そうに聞く。

 それは大丈夫だ。 わが家には、盃や徳利などいくつもあるぞ。

 冷酒だから片口が良いな、と言うので、写真の片口を出した。

 

 

 長野県松本市の「百趣」という店で手に入れた。

 直径が15センチくらいの小振りな片口である。

 国産の漆をふんだんに使っていて、使うほどに朱色の深みが増してくるそうだ。

 ちょっと浅いのが難点かな。半合くらいしか入らない。

 

 S君は気に入ったみたいで、持って帰りたいという。

 しかし、彼の住んでいるところは名うての乾燥地帯だ。

 漆器なんかすぐにダメになってしまうぞ、きっと。

 

 だいたい、この片口はわたしも重宝に使っているのだ。

 甘納豆なんかを載せて食べるのにちょうど良いのである。

 

 そう言ったら、S夫妻はなんて勿体ない、と言う。

 そうかなあ、そうだろうか。

 酔ったS君は、帰り際、こっちに返ってきたらこの片口絶対貰いに来るからな、と凄んだ。

 

 酔っていたから忘れてるとは思うが、S夫妻の帰国時期がちょっと気になる。


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コメント 4

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ともママ

この片口アメリカ行きは勿体ないです わたしに下さい 
寒くなってきておでんに日本酒、美味しいんですよ 大好き♪♪
by ともママ (2005-12-16 21:43) 

Fです

この片口に甘納豆は確かにおかしいと思う。それにしても最近の記事は長すぎる。
すこし短くしてくれないか。読むのが大変だ。
by Fです (2005-12-16 23:02) 

ナツパパ

ともママさん。
あげません(笑)。 
おでんに日本酒、美味しいんですってね。
おでんに茶飯だけでも美味しいですよ。
by ナツパパ (2005-12-18 20:10) 

ナツパパ

Fさん。
そうか、長すぎるか。
文章の間隔を開けたので、記事が全体的に長く感じられるのかも。
或いは、文章が冗長的になっているかな。
気をつけます。ご指摘ありがとう。
by ナツパパ (2005-12-18 20:12)