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下練馬富士に登る [山に登ろう]





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 さて、前稿で陸上自衛隊練馬駐屯地の創立祭を見たあと、近所の東武練馬駅前の商店街に行くことになった。

 駐屯地では、暑い中2時間強の間イベントを見てきたので、どこかで一休みして昼食でも、と思ってである。

 旧川越街道沿いの商店街までやって来て、ふと、ここに富士塚があるのを思い出した。




 たしか同行のS君は、まだこの富士塚には来たことはなかった筈である。

 それで、食事をする前に富士塚見物をしてみよう、と提案したのだった。

 えええ...富士塚ですかぁ...そりゃ行きたいけれど食事の後じゃダメですかぁ...と、S君が小さく抵抗する。

 ...この疲れ方だったら、食事をしちゃったらもう動きたくなくなるだろう。

 ...富士塚のすぐそばに美味しいラーメン屋があるから...と、彼を説得して、富士塚見物となった。




 やって来た「下練馬富士山」は、旧川越街道下練馬宿の名残を残す、商店街の中にあった。

 上の写真、向かって左側の鳥居が富士塚への登山道の入口で、見ての通り、かなり大きな富士塚である。







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 富士塚入口の脇に看板があって、富士塚の全体図が描かれていた。

 写真中の矢印と数字は、記事の写真を撮った位置で、冒頭の写真が①、この後④まで出てきます。







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 鳥居をくぐって登山道を上ってみよう。

 石造りの階段があって上りやすい...道は右にカーブして、その先から本格的な登山道となる。







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 写真②から、道の登りがきつくなり、登山道が始まる。

 両脇の、猿の石碑は富士塚の登山口によく見られるもので、猿は浅間神社の神使いであるのがその理由。




 石碑の中の階段を直線に登っていくと、すぐに③に着く。

 ここは、実物の富士山では、御中道と呼ばれる道にあたるところで、ここから頂上まで、つづら折りの登山道が見て取れる。

 登山道には合目石が並んでいて、ここがきちんと整備され、昔からの姿をとどめている富士塚であることが分かる。







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 写真④は、頂上すぐ下まで登ってきて、頂上を眺めたところ。

 ここまで曲がりくねった登山道は道は細くそして急で、両手も使って登らないと危ない...ほんとは下りの方がもっと危ない。

 頂上は、実物の富士山のように周囲を溶岩で囲まれた形になっている。







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 頂上には、浅間神社奥宮にあたる石祠、そしてここの高度を示す表示が...標高37.76㍍とはずいぶん洒落たことをするなあ。

 頂上はたたみ2畳ほどか、余裕のある空間で、見ると、実物の富士山の方向を示すプレートが埋められていた。

 今は実物の富士山を見ることが出来なから、富士山を遙拝するときに役立ちそうだ。







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 頂上は下から見るよりもずいぶん高く感じられる。

 周囲で見ると、2階建ての建物の屋根にあたるくらい...3階になるのかな、高さとしては。

 周囲に高い建物が無かったときには、眺めも良く、実物の富士山も見えたことだろう。

 暑い日だったけれど、まだ春で、吹いてくる風が心地いい。






      ◇   ◇   ◇





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 富士塚のある浅間神社の入口脇に「富士亭」という中華料理店があります。

 名前が良いですね...以前、この「下練馬富士」を訪れたときにも、この店で食事をしましたっけ。

 富士塚見物を済ませて、S君と店に入り、塩ワンタンメンを注文しました。




 駐屯地のイベント見物でずいぶん汗をかいてきて、塩ラーメンの汁が美味しい、固めの麺もいいな。

 たっぷりのワンタンとチャーシュウ、そして煮卵、とトッピングも美味しくて、あっという間に完食でした。

 この日は、久しぶりに友人と外歩き、そして富士塚の見物もできてうれしい休日となりました。

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八犬伝

そうですか
猿は浅間神社の神使いでしたか
勉強になりました。
by 八犬伝 (2022-05-05 10:26) 

ナツパパ

八犬伝さん。
そうなんですよ、神様によって神使いが決まっているようです。https://yama10camera.com/shinshi/
浅間神社については、申の日に富士山が現れたので、という説もあります。
富士塚には、入り口に、まるで狛犬のように登山道両脇に置かれていることが多いです。
by ナツパパ (2022-05-05 12:05) 

お散歩爺

富士塚は日本に数箇所あるようですが
ここの富士が1番厳しいかな?素晴らしいです。
機会があれば登ってみたいです。
by お散歩爺 (2022-05-05 13:37) 

ナツパパ

お散歩爺さん。
立派な富士塚でしょう、高さといい整備されている状態と言い、どこに出しても恥ずかしくないと思います。
このほかにも、千駄ヶ谷駅近くの「鳩森神社」境内にある富士塚も見事な作りですので、お勧めです。
富士塚は、主に関東一円に数百基あるとも言われていて、かなり数が多いんです。
小ブログ内の「山に登ろう」というカテゴリーにいままで登った富士塚が記事になっています。
よろしければご覧くださいね。
by ナツパパ (2022-05-05 15:09) 

hanamura

標高37.76m!マジか?素晴らしいです。
富士山遥拝派の自分(ズブン)です。この大型連休は「富士山満喫きっぷ」を利用してみました。久しぶりの行列と渋滞に、精神修養の一日を過ごしました。近日公開予定です。
by hanamura (2022-05-05 15:41) 

しのぴん

岩が溶岩の様に見えるのですが、これって富士山の溶岩だったりするのでしょうか?。
by しのぴん (2022-05-05 16:26) 

ナツパパ

hanamuraさん。
富士山満喫きっぷ、気になって調べてみましたが、便利な切符ですねえ...やるなあ。
JRのみならず、バス・フェリーそしてロープウェイ、これ一枚あれば、該当区域どこでも行けそうです。
この連休は天気に恵まれた日も多く、多くの方々が休みを愉しまれたことでしょう。
わたしは連休中地元住まいですが、それでも今は青葉がきれいで、ほんといい季節になりましたね。
37.76㍍には、わたしも目が点になっちゃいました。

by ナツパパ (2022-05-05 17:04) 

ナツパパ

しのぴんさん。
富士塚は富士山のコピーということになっているので、溶岩の石を使うのが、江戸時代からのお約束です。
ではどこの?というと、富士山のものもあれば、浅間山からのものもあったそうで、江戸時代膨大な数作られた富士塚、
そこの多くにその溶岩石、朴石という名前ですが、使われています。
重い石をそれだけ江戸までもってこられる、流通手段が確立していたのには驚かされますね。
by ナツパパ (2022-05-05 17:12) 

めぎ

久々の富士塚のお話、なんだか嬉しいです。
いつかまた登りに行きたいなぁ…
美味しいラーメンも食べたいなぁ…
日本はまだ観光目的の外国人は入れないので、私は入れるけど、うちのドイツ人も生徒も行けないままです。
by めぎ (2022-05-05 17:31) 

みち

立派な富士塚ですね。富士山の方向が分かるのもありがたいですね。
お猿さんは神使いだったのですね、覚えておきます。
ラーメン、とっても美味しそうです♪
by みち (2022-05-05 17:42) 

(。・_・。)2k

なかなか立派な富士ですね
うちの近所にもにたのがあるんですが
行った事ないんですよねぇ

by (。・_・。)2k (2022-05-05 18:21) 

YAP

上から見下ろす高さを見ると、なかなかの迫力ある富士塚ですね。
37.76m の高さというのも、なかなか良く考えてますね。
by YAP (2022-05-05 18:40) 

ma2ma2

富士塚は都内に結構ありますね。
by ma2ma2 (2022-05-05 19:32) 

ナツパパ

めぎさん。
めぎさんがご帰国された折に、富士塚見物をご一緒したのは、さて何年前になるでしょう。
暑い日でしたっけねえ、懐かしい思い出です。
いつかご帰国の折にはまたどこかにご一緒できたらいいですね。
愉しいところを用意してお待ちしております。
それにしても、コロナ、長引きますねえ...わたしの予定ですと、1年前の夏には収束している筈だったんですが。
by ナツパパ (2022-05-05 19:42) 

ナツパパ

みちさん。
富士塚は富士山のミニチュア版ですので、塚には、富士山と縁のあるものが多くあります。
大沢崩れを再現していたり、頂上の噴火口を作ってみたり...見ていると面白いです。
富士塚の多くは江戸期~明治に作られたものですので、その時代の人々の遊び心が感じられますね。
富士山の方向を示すプレートは、でも初めてでした。
こういうのがあると、こっちだな、と遙拝するとき便利そうです。
by ナツパパ (2022-05-05 19:45) 

ナツパパ

(。・_・。)2k さん。
2Kさんお住いの、下町には多くの富士塚が今でも残っているようです。
江戸期には武士より町人が多く住んでいて、また農地もあったりして、富士信仰が盛んだったのでしょう。
富士塚には、富士山に関連するあれこれがミニチュアで残っていて面白いですので、
機会がありましたら、ぜひのぞいてみてください。
by ナツパパ (2022-05-05 19:48) 

ナツパパ

YAPさん。
富士塚のふしぎの一つに、下から見るより頂上から眺めるほうが、はるかに高さを感じる、というのがあります。
おそらく、頂上+わたしの身長で、目線も高くなっているからでは、と思うんですよね。
そうではあっても、狭い頂上から見晴らしたり見下ろしたりすると、なかなかの迫力で、足が震えます。
...高所恐怖症なんですよ、わたし(笑)
37.76㍍...ホントよく考えましたよねえ...思いついた方のニンマリが見えるようです。
by ナツパパ (2022-05-05 19:52) 

おと

富士塚、登ったことがありません。とっても面白そう、いつか行ってみたいと思います^^浅間山の鬼押出し溶岩は、見に行ったことがあります、あれを運んできたりしているのですね、すごいなぁ。
塩ワンタンメン、美味しそうです!食べたいです!

by おと (2022-05-05 19:53) 

ナツパパ

ma2ma2さん。
そうなんですよね、都内には結構な数の富士塚が現存しています。
最盛期、明治中葉までは、でも、こんな数じゃなかったといいますから、富士塚好きのわたしとしたら、
江戸末期~明治の東京都内を歩いてみたいなあ、という思いが募ります。
ここの下練馬富士は、数年前訪れたときよりずっと上りやすくなっていました。
登山道など、全体的に整備されたのだろうと思います。
by ナツパパ (2022-05-05 19:54) 

ナツパパ

おとさん。
富士塚は都内あちらこちらにあるのですが、神社と一緒、という場合が多く、いつでも登れるところ、
お祭りの時以外は登山禁止だったりのところ、様々です。
7月1日の富士山の山開きが富士塚のお祭りであることが多く、この日は登山できる富士塚も多いですね。
記事の富士塚、千駄ヶ谷の「鳩森神社」境内の富士塚、どちらも、いつでも登れます。
お勧めの富士塚です。

by ナツパパ (2022-05-05 19:58) 

johncomeback

拙ブログへのコメントありがとうございます。
高山稲荷神社の鳥居は1基15万円ですが、
伏見稲荷大社の鳥居は1基30万円です。
Sさんとの ”富士塚巡り” 大好きです(^^)

by johncomeback (2022-05-05 20:07) 

ナツパパ

johncomebackさん。
伏見稲荷大社の鳥居も延々続いて迫力ですものねえ。
山の頂上まで行くと相当時間もかかるのだと聞きます...行ったことはないのです。
あそこは30万円でしたか...さすがに伏見稲荷だなあ。
日本3大稲荷、というという話になった時、出てくる神社の名前に少しずつ違いがあるのですが、
伏見稲荷は必ず入ってますからねえ。
by ナツパパ (2022-05-05 20:56) 

gop

ときわ台は仕事で良く通いました。東上線沿線の商店街はどこも良い雰囲気で。
しかし連休最終日、久々に関越の渋滞が凄いですね。先日TVで第二山手線(東京山手急行電鉄)を取り上げており、
予定では上板橋で東上線と交差、出来ていれば人の流れが変わり環八の通行量が減っていたとか。
練馬板橋の地価も上がっていたそうな^^

by gop (2022-05-05 21:00) 

ナツパパ

gopさん。
そうなんですよ、成増以東、池袋までの東上線は住宅の中を走っていて、駅もなかなかいい雰囲気です。
大山駅から延びるアーケードは見応えがありますよね。
この連休は、皆さん待ちに待っていた、という熱気が感じられますから、各高速は渋滞がすごいのだろうなあ。
山手線の外側に環状線を、という構想はいろいろ出ていたようですよね。
環七の下を地下鉄で結んだら、という話を以前聞いたことがあって、なかなか便利そうでしたが、
通勤客の方向から逸れてしまうのが難点、という話でしたねえ。
by ナツパパ (2022-05-05 21:06) 

Inatimy

地図と写真についた番号ですごく分かりやすい説明となってますね。
1/100とは、こういうところも面白いなぁ。
解説のプレートに登拝のルートが5つ紹介されてるのも凝ってて遊び心がうかがえて^^。
by Inatimy (2022-05-05 23:21) 

ナツパパ

Inatimyさん。
江戸時代から富士塚を作ってきたのは、講という組織で、いわば好き者の集まり、でした。
いまでいえば、若干(...以上に、かな 笑)オタク系の皆さんのようで、であればこそ、
富士塚に、実物の富士山に似せてあれこれ細工をするのでした。
それが、あちらこちらからの登山道であったり、合目石であったり、頂上の標高だったり(笑)
こういうのって愉しいですよねえ、富士塚に登ると、あれ、ここにこんな、という細工を見つける愉しさがありますよ。
by ナツパパ (2022-05-06 08:58) 

北海道大好き人間

以前、東武練馬付近に住んでいましたが、この富士塚(神社)のことは知りませんでした。
私が住んでいた場所は線路を挟んだ反対側の板橋区になりますが、ちょっとした高台であり、周りにはまだ高層建築物がなかったので、冬場の晴れた日の朝には富士山が見えました。ですから、この富士塚が出来た頃には、間違いなく富士山が見えたと思います。

ラーメン屋さん、昔ながらのお店で雰囲気も良さそうですね。ただ、店の前の道路が一方通行で駅の方から進入出来ませんから、遠回りを強いられそうです。

by 北海道大好き人間 (2022-05-06 10:08) 

kuwachan

標高37.76でもちゃんとくねくねとした登山道があるところは
登山した気分になりますし、頂上へ行った時には達成感がありますよね。
本当によく考えられた富士塚ですね。
登山を終えた後のラーメンはさぞかし美味しかったことでしょう^^
by kuwachan (2022-05-06 12:46) 

ナツパパ

北海道大好き人間さん。
あ、北海道大好き人間さんはこの界隈にお住まいになっていたのでしたか。
仰るとおり、この界隈は高台があったり谷があったりと起伏に富んでいて、歩いていると飽きません。
わが家の周りもそうですが、ここからも高い建物さえなければ富士山を見ることが出来ます。
冬の夕暮れ、思ったより大きな富士山のシルエットが見えることがあり、ああいいなあ、とそのたび思いますねえ。
by ナツパパ (2022-05-06 16:52) 

ナツパパ

kuwachanさん。
そうなんですよ、短いけれどけっこう本格的な登山道がついているのでした。
ただ、道は細くて急なので、歩くときには要注意なんです。
なにしろ転んだらそこは溶岩のごつごつが待っているわけですから、慎重にしなければなりません。
そうやって頂上に登り、周囲を眺めると気持ちいいものですよ。
山登りの好きな方々のお気持ちがよくわかる瞬間です。
by ナツパパ (2022-05-06 16:55) 

小肥り

本物の富士山の標高はたしか3776メートルでしたよね。
この富士塚が37.76メートルってのは本当なんでしょうか。
うん、このワンタンメンだったら許せるでしょう。
by 小肥り (2022-05-07 16:42) 

ナツパパ

小肥りさん。
標高を、ここまでどんとプレートにしちゃってるのですから、よもやウソということはないと思いますがねえ。
...思うのですが、そんなに都合よく行けるものだろうか...との疑問は残ります。
計ったら37㍍だったので少し嵩上げしてこの高さにしてみました、みたいな案配かもしれません。
この高さにできる、と知った時の、関係者の心中はいかばかりか...尋ねてみたいところです。
by ナツパパ (2022-05-07 19:16) 

gardenwalker

こんばんは
37.76m、洒落てますね(笑)
子供の頃に近所の神社にある富士塚によく登りました
その時は全く意味も分からずに
登山の後のラーメン、おいしそうです!
by gardenwalker (2022-05-09 00:24) 

山子路爺

素晴らしい標高。
今年は久しぶりに富士山に登ってみようか……なんてね!

by 山子路爺 (2022-05-09 21:33) 

ぼんぼちぼちぼち

お猿さん、なんだかユニークでやすね!
見ざるとは逆に、眺めてやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-05-12 13:14) 

ナツパパ

gardenwalkerさん。
あちこちの富士塚を目にするたび、作った方々の遊び心に感心したり嬉しくなったりします。
真面目一方では出てこないような、様々な仕掛けが面白いですよね。
大の大人が真剣にあれこれ知恵を出し合っての遊びは、これはもう文化、と言えるようにも思います。
ここの富士塚は近年整備されたようで、数年前から比べると、格段にきれいになりました。
ホント嬉しいことです。
by ナツパパ (2022-05-15 14:02) 

ナツパパ

山子路爺さん。
実物の富士山には5合目まで登ったことはあるのですが、それ以上はちょっと。
夏の富士登山の人気ぶりを知ると、まあ、素人が迷惑をかけてもなあ、と躊躇します。
一生一度は富士登山、と言われているのは承知なのですがねえ。
...覚悟が決まるまでは(笑)、富士塚登拝で満足するつもりです。
by ナツパパ (2022-05-15 14:04) 

ナツパパ

ぼんぼちぼちぼちさん。
なかなかいい面構えをしていますよね。
ここの富士塚には石碑や石像が多く、それぞれ見応えがありました。
記事中3枚目の写真に行者の石碑が見えますが、これなども、もっと大きなものであったら、
異界への入り口、そしてその番人、そういった雰囲気で、映画に出てきてもおかしくないように感じてしまいます。
by ナツパパ (2022-05-15 14:07) 

ナツパパ

niceをくださいました皆様。
ありがとうございます。
by ナツパパ (2022-05-22 14:01)