桜吹雪で送る春 [くらしの中で]
世の中、春、である。
うららかな日差しと暖かい風が心地いい。
居間から庭を、そして外を眺めていたら、窓から入ってくる風が気持ちよくて、つい、欠伸が出た。
そうだ、外に出てみよう、と、まず、庭に出てみた。
さつきかつつじがもう咲いているではないか。意外に強い日差しの中に紅白の花がきれい。
そこで、家に取って返し、カメラを持ってきた。
レンズは、たまたまそのカメラについていたホルガ(Holga)というもので、独特な画像が撮れる。
それで写真を撮ったらなんとも春らしい画像になった。
そうだ、ちょうどいい、これをもって近所を散歩してみよう、と思い立った。
このところ家に引き籠ってばかりで...適度の運動は良いよ、と勧める向きもあるので。
近所の小学校を通りかかると、そこは人気もなく静まり返っている。
いつものこの時期には、校庭や通学路で会う1年生がかわいいんだけども。
早く学校が再開できて、ここに子供たちの歓声が満ち溢れるようになってほしい。
...それでも、学校に併設する「学童クラブ」からは元気な声が聞こえてきたぞ。
この界隈には、まだ農家が何軒も残っていて、敷地には大きな木が植わっている。
見上げるほどの欅が、もう新緑を豊かに繁らせていた。
青空に新緑はきれい...春なんだなあ。
桜並木が有名な川のほとりにやって来た。
満開からはずいぶん少なくなったけれど、それでも、まだ桜花が残っている。
この日は南風が強く、その風で花が散っていくのだった。
橋の上から見ると、桜吹雪が樹々から舞い上がり舞い落ちる...眺めるわたしにも。
桜花が、その最後の美しさを見せてくれたかのようで、しばし茫然としてしまった。
川の流れは速く、花筏、という案配ではなかったけれど、桜花が流れていく。
哀しい?きれい?...それを超えた、目の前を去ってゆくナニモノカ、に心が詰まる思いがする。
...たしか9年前の春にもそう思ったっけ...。
こうやって、桜花とともに今年の春は逝くのかな。
...春のあとには初夏が、そして夏が来る...すべては動いているのだ。
...がんばろうね。
と、柄にもなく、センチメンタルな記事になってしまいました。
ホルガレンズの画像のせいか、それとも...今年の、満開の桜を写真上に乗せて、この稿を終わります。
へんちくりんな文章を、書き換えようかとも思ったのですが、このままにします。
ただ、ちょっと恥ずかしいので、コント欄は閉じることにしました。
ナツパパ拝