ヘリコプターに乗ったぞ [乗り物大好き]
そうそう、3月某日に「陸上自衛隊練馬駐屯地」を訪れたのだった(写真は別の日のもの)。
この日は、自衛隊からご招待を受けて、ヘリコプターの体験搭乗をしに、である。
そういえば、自衛隊の駐屯地だなんて、部外者のわたしにはそうそう入れる場所でもなく、
正門で衛兵に誰何などされちゃうと、ですね、なんとなく緊張するもんですな。
総じて、自衛隊の皆さんはあたりが柔らかくフレンドリー、衛兵さんもそうだったのだけれどもね。
でも、なぜこのわたしがヘリの体験搭乗かと言えば、それは、練馬駐屯地近隣の町会役員だから。
練馬駐屯地は、陸上自衛隊第1師団の所在地で、首都防衛の任務がある。
そこには実動部隊もいるので、訓練の音や連絡ヘリの騒音など、自衛隊でもいろいろ気を遣うみたい。
そこで、近隣自治会町会の会長を招いて、ヘリの体験搭乗などをしてくださる。
...まっ、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、そこはすみません、よろしく...
で、招待状を受けた当町会長が、オレは一昨年乗ったから、お前どうだ?...となったのだった。
練馬駐屯地で当日体験搭乗のメンバーが集合した後、マイクロバスで移動した先は、朝霞駐屯地だった。
ここは、練馬駐屯地よりはるかに広い敷地で、毎年観閲式をするところ。
その中に、ヘリが離発着できるスペースがあって、そこで体験搭乗となるようだ。
プレハブ作りの建物でしばらく待っていたら、ヘリが来ましたよ、と声がかかった。
外に出てみたら、おお、ヘリが上から降りてくるのだった。
この日の体験搭乗者がヘリの近くに集められ、簡単な安全教育が行われた。
聞いてみると、普段乗っている飛行機とはずいぶん違うみたいで、たしかに乗り降りに注意が必要だ。
ヘリコプターは、機体のてっぺんに大きなローターが回っている。
そこからの風がとても強く、また、ローターの関係で、乗り降りには身を屈めていかなければならない。
上の写真のように、搭乗はなんとなくへっぴり腰風だけど、安全上仕方ないのである。
さて、この日は都合3フライトがあって、わたしは2番目。
初めのフライトが帰ってきたら、いよいよ搭乗である。
1機に6名が乗る...機体に近づく時には身を屈めて慎重に。
機内のシートは簡単なものだけど、案外座り心地がいい。
◇ ◇ ◇
搭乗し、機内で同乗する隊員からシートベルトなどの確認をしてもらう。
しばらくして、エンジン音が大きくなったと思ったら、機体は静かに上昇し始めた。
ヘリコプターの動きは独特で、慣れない人は酔うこともある、と聞いたが、そういったことはなかった。
おそらく、このヘリを操縦する機長が、素人の体験搭乗に慣れているのだろう、と思う。
機体はぐんぐん上昇していき、大きな窓からは見晴らしがいい。
高度500メートルくらい...このくらいだと、下の景色がよく見える。
機内は思ったより静かだった。
そして、とてもきれい...整備が十分行き届いている様子は、見ていて気持ちいい。
このヘリは、UH-1 といって、もう長い間自衛隊で使われている。
古いけれど信頼性が高く、使いやすいですよ、と機長さんが説明してくれた。
そういえば、この機種は、ベトナム戦争のころからあって、かの「地獄の黙示録」という映画では、
ワルキューレを流しつつ攻撃をする、とても印象的なシーンで使われていた。
外を眺めつつ、脳内でワルキューレの音楽を流してみたが、この景色では、どうも今一つだな。
朝霞駐屯地を飛び立って、時計回りにぐるりと一周、約15分ほどの飛行である。
荒川が見え、スカイツリーが見え、そして、光が丘が見えたら、もうすぐ朝霞駐屯地。
機体はあっという間に高度を下げ、朝霞駐屯地の上空に戻ったのだった。
あーあ、もうおしまいだよ、なんて同乗の皆さんとため息をついたりして。
静かに着陸した機体から、やはり腰を屈めつつ降りて、安全な場所から振り返った。
操縦の二人に手を振って、ありがとう、と謝意を伝えたら、向こうからも手を振ってくれた。
この日は雨模様の日で、景色が今一つだったけれど、風が無くてよかった。
低いところを飛ぶヘリは、風があると揺れるのだそうだ。
また乗りたいな...町会長にゴマ擦ろうかしら...なんて。