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33年だってさ [わたしの食欲]





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 わたしたち夫婦が結婚したのは1986(昭和61)年の2月だった。

 それで、毎年2月になると「結婚記念」と称して外食をしてきた。

 息子がいるときは家族3人で...彼が一人立ちした後は夫婦二人で。




 今年も2月になって、さて、どうしようかね、ということになった...のだが。

 なにしろ昨年より、お医師から食事の管理だったり制限だったりを指示されてきた身の上なのである。

 ...でもね、指示を守って生活をしてきたためか、このところ体調もいいみたい。

 そこで、何処かに行ってみようということになった。




 やって来たのは歩いて15分ほどの場所にあるフレンチレストランである。

 フレンチだって...なんか楽しみ...気分も高揚する。






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 さてなにを頼もう。

 この店は、しっかりしたものから簡単なものまで数種類のコースがある。

 本当だったら、スープに主菜1品、あたりが妥当なところだろう。

 ...だけど...久しぶりのレストランで舞い上がっているものだから...

 ...一番しっかりとしたコースを頼んでしまって...まあ今日だけね...




 ...ほらお祝いだし...で前菜はフォアグラのソテー、リンゴソースである。

 えええ...フォアグラだってさ...いきなり...うーむ、さすがに顔もひきつるけれど...

 ...まあ、これが美味しこと、そのあとのコースに期待が高まる。







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 フォアグラの前菜をぺろりと平らげたら、次はカリフラワーのスープ、小さな器が物足りないほど。

 そして魚料理はヒラメ...サフランソースが上品で白ワインと合うのだった。

 そう、フレンチだったらワインも欲しいよね、なんて言っちゃって、しっかりグラスワインも注文。

 ...ほら、今晩はお祝いだし...この辺りから、既にして心のストッパーは崩壊である。







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 肉料理は子羊肉のローストを。

 赤いところを残しつつも、しっかりと火が入った子羊肉が柔らかく美味しい。

 羊肉は癖があって敬遠される向きもあるけれど、わたしは大好き。

 品書きにあれば注文してしまう。

 子羊肉は、骨のところを手に持って食べられるので、それもうれしいのである。




 ...この料理にはもちろん赤ワインだよね、すみませんグラスでくださいな。




 妻は牛頬肉の煮込みをおいしそうに食べている。

 ...それも旨そうだなあ、一口ちょうだい...ダメ!...うーむ。







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 これでコースが終わり、後はデザートを。

 この店のデザートは、10種類あるうちから3品を選んで皿に盛ってくれる。

 わたしはライムのシャーベットとアールグレイのクレムブリュレそしてフルーツタルトを。




 夫婦二人で、そして息子が生まれてからは3人で、暮らしてきた。

 何もかも上手くいった日なんて少なかったけれど、なんとか仲良く過ごしてこられたなあ。

 こうやって、あれこれ会話をしながら夫婦でご飯を食べられるのもありがたいことである。




 デザートをゆっくりいただいて、コーヒーを飲めば、これで料理もお終い、との気持ちになれる。

 満腹、そして満足して店を辞したのだった。

 これだけの食事を食べて、ワインも飲んじゃって...でも、翌日も元気で過ごすことが出来た。

 それがなによりうれしい2月なのだった。







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