能登二宮駅 [駅に行こう]
今回はJR七尾線にある「能登二宮駅」である。
JR七尾線は、北陸本線津幡駅から七尾市の和倉温泉駅まで約60㎞、単線電化の路線。
終点の七尾市や和倉温泉は能登観光の起点で、そこに通じるのだから、単線だからといってもローカル線ではない。
関西から特急が直通し、普通電車も1時間に一本と、この地域を考えたとき、けっこう頻繁に列車の走る路線である。
わたしが「能登二宮駅」を訪れたとき、ちょうど、金沢発七尾行きの普通電車がやってきた(写真上)。
乗客も多く、この駅で降りるお客も結構あった。
駅は線路一本にホーム一つのシンプルなものだった。
1960(昭和35)年開業と、七尾線の中では比較的新しい駅だそうだ。
地域の旧街道や旧市街から離れていて、ホーム側は一面の田んぼ、駅舎側は新興住宅街になっていた。
電車から降りた乗客は、この住宅街の住人なのかも知れない。
無人駅だが、駅舎内の待合室はきれいになっていた。
この駅は、石川県鹿島郡中能登町にあるそうで、待合室には中能登町の特産品なども展示されている。
薄いブルーの瀟洒な駅舎は、向かって右側は駅務関係の部屋、左が待合室である。
駅の建物自体は、中能登町がJRの敷地を借りて作ったものだとか。
無人駅にしては立派な駅舎は、そういう仕掛けになっていたのである。
この駅を訪れたのは昨年の夏...田んぼからの風が吹き抜け、気持ちの良い駅だった。
さて、「能登二宮駅」から2キロほど離れた所に、能登国二の宮「天日陰比咩(あめひかげひめ)神社」があった。
旧街道に沿って並ぶ集落から少し山側に入った所にある。
神社の境内を覆い尽くすような、鬱蒼とした森が神々しい雰囲気である。
この神社は、崇神天皇の御代に創建、ほぼ2100年の歴史を持っているそうだ。
平安時代の延喜式にも式内社として記されており、鹿島郡18村の総氏神なのだとか。
参道の入り口に狛犬が一対鎮座していた。
後ろ足を跳ねたような、躍動感のある姿形が素晴らしい。
いかにもやんちゃそうな顔の表情も好ましく、背後から眺めると、飛び跳ねたような後足の造形がユニークである。
その狛犬を見ながら、参道を進むと本殿に至る。
本殿前には、20メートルは超えようかという高い木が2本、ちょうど神社を守るように立っていた。
ご神木なのだろうか、根本には注連縄も張られていた。
簡素な本殿と大きな木が、素晴らしい雰囲気を作っている境内だった。
山に抱かれた境内は、里にありながら山の中にいるような感じがする。
能登国一の宮「気多大社」から比べると、小振りで質素な神社だが...
その神寂びた雰囲気はさすがに古い歴史を感じさせてくれた。
さて
「一宮駅巡り」が一段落してもう一年になりました。
そろそろ次を、と思っていたのですが、目指す「二宮駅」になかなか行けなくて。
東海道線の普通に乗ればそのまま行けるのに。
この「能登二宮駅」は、「能登一宮駅跡」を訪ねたときに寄りました。
あれからもう一年...これ以上は待てず、こちらの駅が最初になりました。
次は「二宮駅」に行けるのでしょうか...それとも。
kashimiさん。
nice、ありがとうございました。
この駅に行ってからもう一年がたってしまい、いくら何でもそろそろ...と思って今回記事にしました。
わたしの中の順序では、東海道線の「二宮駅」は最初に来る予定だったんですがねえ(溜息)
それでも、なんとか「駅に行こう」のシリーズを再開できてホッとしている所です。
by ナツパパ (2010-09-10 08:30)
まあ、能登までいらしたの・・・と思ったら、去年だったのですね。
日本海側の田舎は非常に風情がありますね。歴史もずいぶんありますしね。
2100年前からあるなんて、魅力的すぎます!
それに、狛犬さんたちの躍動的なこと!思わずにこっとしちゃいました。
by めぎ (2010-09-10 17:24)
あらー、狛犬さんたち、中国雑伎団の方々だったんですか?そうとう腕力を備えた犬さんたちとお見受けいたしました。
駅はこの上なくシンプル。なのに乗降客が多いなんて、写真からは分からないですね。
by HIROMI (2010-09-10 17:42)
あらま、いつの間に(と思ったら去年の続きですか)
金沢〜能登、昔は良く行きましたよ。
七尾線はC56、金沢にはC58が入って来てましたねぇ。
http://987.blog.so-net.ne.jp/2006-09-18-2
つボイノリオ「一宮の夜」はご存知でしょうか(^^?
http://www.youtube.com/watch?v=sZ1JNKZOStw
by gop (2010-09-10 19:29)
次回、妻の実家を訪れる際には能登線を攻めよう。
by da-kura (2010-09-10 23:38)
いつの間に能登へ行かれたの?と思いきや、昨年の続きでしたか。
晩秋の能登も良いでしょうね。和倉温泉とか行きたいですね。
昨年に続き今年も、"♪能登はいらんかいねぇ~ふるさと能登はよぉ~"
良い歌です。
by tateichi_m (2010-09-11 01:49)
二宮巡りが始まった・・・訳ではないのですね。
それとも、これが開始のときの声でしょうか。
時代を超越した広い境内が素敵ですね。
by manamana (2010-09-11 05:52)
小振りな大社造りの本殿が,まわりの森の樹の大きさとコントラストがありますねえ.
駅舎は床が高くてバリアフリーでない気がしますが,積雪対策なのかも.
by akira isida (2010-09-11 07:10)
ひろころさん。
nice、ありがとうございました。
能登は海岸と内陸、それぞれに魅力たっぷりの所でした。
このカテゴリーで前回訪れた「気多大社」は海の近く、漁村の雰囲気が素敵な場所にあり、
今回の天日陰比咩神社は農村にありました。
能登半島を中央で横切る平野は、見渡す限り田んぼで、それも良かったですねえ。
昔の日本の風景が残っているなあ、と思いました。
by ナツパパ (2010-09-11 08:55)
ほりけんさん。
nice、ありがとうございました。
このときは、和倉温泉までは行けなかったのですが、写真で見ると賑やかな温泉ですね。
一度は泊まってみたいなあ、とは思うものの、観光とは言えないような行動をしている身ですので、
やはり駅前のホテルが似合いなのかも。
いつかは家族で、という望みは持っているのですが...さてさて。
by ナツパパ (2010-09-11 08:58)
めぎさん。
そうなんですよ、去年の夏、高山~金沢を旅行したとき、能登に寄ってきたんです。
たった1泊2日でこの旅程は、うーん、我ながらちょっと呆れますねえ。
あちこち回って能登に入ったとたん、風景が懐かしいものになり、ホッとした気分になりました。
高山は観光地ですし、金沢は大都会ですし...めぎさんの仰るとおり、能登には風情がありました。
また行ってみたいなあ、と思います。
by ナツパパ (2010-09-11 09:03)
HIROMIさん。
ね、なかなか素敵な造形の狛犬でしょう。
こういうスタイルの狛犬は、数は少ないものの見ることはありますが、
これほど愉しげな表情は良いですねえ。
思わず微笑が浮かびました。
この駅は、中能登町の主要集落に近い駅でもあるので、それで乗降客がそこそこ
多いのかも知れませんね。
3両編成の普通電車、けっこう乗客がありました。
場所柄、観光客も多かったのかも知れませんね。
by ナツパパ (2010-09-11 09:07)
gopさん。
そうそう、この地域にはC56が活躍していましたねえ。
海岸を走る線路にも、輪島への山線にも似合いでしたっけ。
今は七尾以遠はなくなってしまったり第3セクターになってしまったりと、ずいぶん寂しくなりました。
ところで、七尾線って直流電化なんですって。
北陸線は交流で、しかも走る列車は全て北陸線からの直通なのに。
なんでもあるトンネルの具合が原因と聞きましたが、津幡駅にデッドセクションがあるとか。
奇妙な案配なのですねえ。
by ナツパパ (2010-09-11 09:11)
da-kuraさん。
あ、そうでした。
da-kuraさんの奥様のご実家は金沢でしたよね。
このときは、金沢に一泊したのですが、何せ一人旅、美味しいものにはまったく無縁でしたねえ。
昼は王将餃子で夜はコンビニのお弁当だったような...悲しすぎますねえ(笑)
次回、金沢を訪れるときは、家族で行って、あれこれ堪能しようと誓っている所なんです。
by ナツパパ (2010-09-11 09:15)
tateichi_mさん。
能登には、まだまだ素朴な風景が残っていて、それがなんとも素敵でした。
観光地には全く行けなかったので...七尾などに行けば賑やかなのでしょうが。
景色も食べ物も美味しい所だと思います。
tateighi_mさんも、機会がありましたらぜひ!
わたしも次回は家族で、なんて思っている所です。
by ナツパパ (2010-09-11 09:19)
manamanaさん。
「駅に行こう」というカテゴリーをはじめたのは、一宮駅を回ろう、と思い立ったからなんですよ。
で、全国の一宮駅を回って、さてどうしようかな、と思って、ちょっとお休み...
が、一年になってしまいました。
そろそろはじめようか、と今回能登二宮駅になりました。
わたしの中では、先ず東海道線の「二宮駅」を最初に、と思っていたのですが、
今夏の猛暑であえなく撃沈(笑)...次回はぜひ二宮駅に、と思っています。
その先は三宮...四宮...までは駅があるのですがね、さてさて。
by ナツパパ (2010-09-11 09:23)
akira isidaさん。
平安時代の延喜式に記されているのですから、地域でも主要な神社だったのだろうと思います。
今でも境内はきれいに清掃されていて、格式を感じました。
この神社は、鎌倉時代の建長年間に二の宮となったそうで、神社の由緒を読むと
年月の長さに驚きます。
駅舎の左端にスロープが付いていましたので、バリアフリーを考えていない訳ではなさそうですが、
それにしても急なスロープで、しかも無人駅、どうなるのでしょうねえ。
by ナツパパ (2010-09-11 09:26)
早くにコメントを書いたのに出てきませんね。
ボクの勘違いかもしれません。狛犬のことを書いたのでした。
普通の狛犬スタイルじゃなくて。姿が自由奔放ですね。
by 小肥り (2010-09-11 10:26)
小ぶりで質素とはいえ、威風堂々として荘厳な感じを
受けます。周囲の美しい木々に囲まれていることもそんな印象に
一役買っているのでしょうね。
このような境内に似合う狛犬です。
by いっぷく (2010-09-11 10:28)
最初の駅名を見たときに、ナツパパさんのことなので、これまでの一宮シリーズからの続きだろうなと思いながら読んでいましたが、見事に当たりました。
歴史的背景がナツパパさんのようにわかっていると、訪問もより深いものになりますね。
後ろ足を蹴り上げたような狛犬さんが珍しいですね。
by YAP (2010-09-11 18:15)
狛犬ちゃん\(◎o◎)/!スゴ過ぎかも。。。
これって・・・アリ?なんですね。
いろんな意味で^m^感動~~~。
by 甘党大王 (2010-09-11 21:46)
小肥りさん。
あ、コメント受け取っていませんでしたか。
それはご迷惑をおかけしました。
にもかかわらず、もう一度のコメント、ありがとうございます。
この狛犬の姿形は本当に面白いですね。
表情といい動きといい、いかにも嬉しそうです。
思わず頭を撫でてしまいましたっけ。
by ナツパパ (2010-09-12 09:13)
MORIHANAさん。
nice、ありがとうございました。
日本海側の風景は物寂びた雰囲気で、とても惹かれました。
ゆっくり眺めていたかったのですが、このときは駆け足の旅でしたので。
いつかは...と思っているところです。
ただね、北陸って、東京から行くときには、時間が掛かるんですよねえ。
行けば美味しいものも待っていると分かってはいるのですが、うーん。
by ナツパパ (2010-09-12 09:18)
ヨタ8さん。
nice、ありがとうございました。
わたしが学生の頃ですからもう30年以上も前になりますか、北陸地方は私鉄が多く走っている所で、
それも小規模で古い車両を大事にしながらの線路が多かったんです。
その雰囲気に惹かれ、良く通いましたっけ。
それこそ網の目のように張り巡らされていた路線は、あらかた無くなってしまいましたが、
学生の頃撮った写真は今でも宝物です。
by ナツパパ (2010-09-12 09:22)
いっぷくさん。
北陸地方の森って重厚な雰囲気なんですよ。
それはたぶん、木々の樹相が太平洋側と違うのだと思うのですが、
この神社の周りにある森も、本当に美しい森でした。
日本は狭いと言われますが、よく眺めると、地方によってずいぶん違うものだなあ、と思います。
by ナツパパ (2010-09-12 09:25)
今造ROWINGTEAMさん。
nice、ありがとうございました。
江戸時代、能登半島には北回り航路の港が多くあったそうですね。
北海道から大阪まで、日本海側を延々続く航路は、京都や大阪、
そして瀬戸内の文化を運ぶ航路でもあったそうで、この地方でも、
関西の文化が残っているそうです。
物や人が動くと、文化もまた運ばれるものなのですね。
by ナツパパ (2010-09-12 09:31)
YAPさん。
一宮駅巡りが一段落して(...あ、終わった訳じゃないんですよ、まだ)、さて何か次を
と思ったのですが、再開まで一年もかかってしまいました。
鉄道が好きですので、当然駅も好き...駅を見に行くことも、続けてみたいなあ、と思います。
試しに、時刻表で駅名を眺めると、興味深い名前がたくさん...これは行きたくなります。
新下関駅なんか、以前は長門一宮駅でしたし...うーん、行ってみたいです。
by ナツパパ (2010-09-12 09:36)
ぼんぼちぼちぼちさん。
nice、ありがとうございました。
神社の由緒をひもとくと、その時間の長さに驚きます。
ここの神社など2100年ですよ、凄いですね。
神社は国造りの神話と一緒に語られることが多いからなのかなあ、と思います。
でも、延喜式に記されているのですから、それだけでもう1300年くらいですか、
やはり長くこの地域の信仰を集めてきたのですね。
二の宮になるのも当然かな、と思います。
by ナツパパ (2010-09-12 09:40)
甘党大王さん。
いかにも愉しげな雰囲気の狛犬ですよね。
おっかない雰囲気の狛犬より、こういった狛犬の方がずっと良いなあ、なんて思います。
神社を訪れる参拝者を歓迎してくれているみたいですね。
わたしも見たとき、思わず微笑みが浮かびました。
by ナツパパ (2010-09-12 09:42)
ナビパさん。
nice、ありがとうございました。
ここの神社は、本殿前の大きな木が印象的でした。
まるで神社を守っているかのように、スッと立っている様子は、素晴らしいものでしたねえ。
こういった形は、他の神社でもあるのか、どうか、不明にして分からないのですが、
良いなあ、と木を見上げて思いましたっけ。
by ナツパパ (2010-09-12 09:45)
galapagosさん。
nice、ありがとうございました。
能登半島は意外に広くて、観光も3日くらいかけないと回れない、と聞きます。
たしかに、輪島の街を見るだけでも一日かかってしまいそう。
わたしは食器が好きなので、輪島の漆器などを見始めると時間がいくらあっても足りないでしょう。
小学生の頃鉄道で輪島に行ったことがあるのですが、変わっただろうなあ。
by ナツパパ (2010-09-13 08:12)
hideyuki2007yさん。
nice、ありがとうございました。
一宮駅を訪れる場合は、最寄りの駅や列車の始発駅から列車に乗っていきました。
駅を訪れるのにはそれが一番良い方法かな、と思いまして。
今回は、クルマで行ってしまいました。
うーん、二の宮になると手抜きか(汗)...などと言うことは全くないんですがね。
能登二宮駅をたまたま見つけ、そこに寄った、というのがじつは打ち明け話なんです。
我ながらちょっと残念ではあるのですが。
by ナツパパ (2010-09-13 08:17)
lomoさん。
nice、ありがとうございました。
鉄道の駅は、言ってみると千差万別、一つとして同じものはありません。
建物も含め駅の雰囲気全体で見ると、本当に各駅特徴があります。
わたしはどうも好奇心が旺盛なせいか、知らない駅に行ってみたい、という欲求が強くて。
駅に行こう、という旅は、これからも続きそうですねえ。
by ナツパパ (2010-09-13 08:21)
あ、一宮に続いて二宮シリーズだ!
と思ったのは私だけではなかったようですね^^
これはまたやんちゃな狛犬さん。
ナツパパさんの影響で神社にいけば必ず狛犬さんをチェックする
癖がついてしまいました。
by あんこ (2010-09-14 00:04)
あんこさん。
一宮駅巡りから、早いものでもう一年たっていまいました。
そこでそろそろ次を...と。
でもね、二宮ってあと一駅だけなんですよねえ...うーむぅ。
狛犬、可愛らしいでしょう。
あちこちに可愛い狛犬が多いと思いますので、機会がありましたらあんこさんのブログでもぜひ!
by ナツパパ (2010-09-14 09:04)
なんともかわいらしい電車に駅舎ですね!
鉄道ファンでなくても写真を撮りまくってしまいそうです!
by じゅんぺい (2010-09-16 19:01)
じゅんぺいさん。
わたしもね、スッキリとした外観と色合いで、なかなか素敵な駅舎だなあ、と思いました。
こういうデザインの駅舎って最近見かけませんよねえ。
どうかすると機能本意の無骨な外観か、あるいはデザイナーの趣味を最前列に出した建物か、で。
こういう駅が近所にあったらいいでしょうねえ。
でも...我が家の周りは地下鉄ばかりなので、そもそも駅舎がありません(笑)
by ナツパパ (2010-09-16 21:19)
くーぷらんさん。
nice、ありがとうございました。
和倉温泉まで直通する特急は、確か「サンダーバード」か「雷鳥」でしたね。
JR西日本の特急電車は良くできていてほんとうらやましいです。
特に、グリーン車が3列シートだというところが良いですね。
JR東日本も以前は3列だったのですが、いつの頃からか4列シートにしました。
明らかなサービスの低下、ちょっとムッとしているんです。
by ナツパパ (2010-09-20 19:58)
alba0101さん。
nice、ありがとうございます。
by ナツパパ (2011-11-08 18:01)